2019/05/24

FDA、PIK3CA 変異陽性のHR+/HER2-進行乳癌患者に対する最初で唯一のPIQRAY を承認(5月24日)

閉経後女性および男性の、HR+/HER2-で、内分泌療法をベースにしたレジメンによる治療中又は治療後に病勢が進行し、FDA 承認のコンパニオン診断法(CDx)によって検出されたPIK3CA(PI3K)変異陽性進行性又は転移性乳癌患者の治療法としてフルベストラントとノバルティスが開発中のPI3K 阻害剤PIQRAY (一般名:alpelisib, 旧BYL719) の併用療法を承認した。本品はFDA のAssessment Aid(AAid)Pilot Project およびReal-Time Oncology Review(RTOR)のPilot Program の指定を受け、優先審査にも指定を受けて審査された。
PIK3CA 遺伝子はHR+HER2-乳癌における最も変異を起こし易い遺伝子で、HR+HER2-乳癌患者の凡そ40%に認められる。PIK3CA 変異は、腫瘍の増殖、内分泌治療に対する抵抗性、および総合的な予後不良にも関連している。 PIQRAY はPIK3CA 変異の影響を標的としており、HR+進行乳癌における内分泌抵抗性の克服に役立つ可能性がある。
申請の根拠としたSOLAR-1 試験試験は、CDK4 / 6 阻害剤の治療の有無にかかわらずアロマターゼ阻害剤の治療中又は治療後に病勢が進行したPIK3CA変異陽性HR+HWER2-の閉経後の女性および男性の、進行または転移性乳癌患者を対象に、フルベストラントとの併用によるPIQRAY を評価する、グローバル、ピボタル第3 相、無作為化、二重盲検、placebo 対照試験である。本試験では572 人の患者が無作為化され、患者を中央での腫瘍組織評価に基づいてPIK3CA 突然変異コホート(n = 341)、またはPIK3CA 非突然変異コホート(n = 231)のいずれかに割り付けた。各コホート内で、PIQRAY [1 日1 回(QD) 300 mg]とフルベストラント (28 日を1サイクルとして500 mg をサイクルの第1 日、第15 日に投与)、またはプラセボとフルベストラント投与群に1:1 に無作為化した。フルベストラント単独と比較してPIQRAY とフルベストラントとの併用は、主要評価項目であるPFSを中央値で約2 倍に延長した( 11.0 カ月vs 5.7 カ月; HR = 0.65、95%CI:0.50-0.85;p<0.001)。