2019/08/16

FDA、約10 年振りの新骨髄線維症治療薬としてセルジーン のINREBIC (フェドラチニブ)を承認

FDA が、intermediate-2 またはHigh リスクの原発性または二次性(真性多血症後または本態性血小板減少症後)骨髄線維症の成人患者の治療薬として、優先審査でセルジーンのINREBIC(フェドラチニブ)を承認した。
フェドラチニブは、野生型および活性化変異陽性Janus 関連 kinase 2(JAK2)、およびFMS-like tyrosine kinase 3(FLT3)に対するキナーゼ阻害活性を示す経口薬である。JAK2 を選択的に阻害し、ファミリーメンバーのJAK1、JAK3 & TYK2 よりもJAK2 に対する選択的阻害活性が強力である。JAK2 の異常な活性化は、骨髄線維症や真性赤血球増加症などの骨髄増殖性腫瘍に関連している。

INREBICの 開発プログラムは、INREBIC の投与を1 回以上を受けた(30 mg~800 mg) 608 人の患者を対象にした複数の臨床試験(JAKARTA およびJAKARTA2 を含む)から構成されている。これらのうち前にruxolitinib の治療を受けた97 人を含む。459 人が骨髄線維症であった。JAKARTA 試験では、これまでにJAK 阻害剤の治療を受けていないintermediate-2 またはHigh リスクの原発性または2 次性(真性赤血球増加症後または肝性血小板減少症後)の骨髄線維症患者は、脾臓が肥大し、血小板数が50 x109 / L 以上(ベースライン血小板数の中央値は214 x 109 / L(16%が<100 x 109 / L 及び84%が≥100x 109 / L)の患者を対象に、INREBIC の1 日1 回経口投与の有効性と安全性をプラセボ と比較した。JAKARTA 試験では、ベースラインから6 サイクル終了後(24 週目)、4 週のフォローアップスキャンで評価すると、プラセボ投与患者の1%(n=1/96)に脾臓の容積の減少が認められたのに対して、INREBIC 400 mg 治療では37%(n=35/96)の患者に脾臓の容積が、35%以上の減少が認められた(p <0.0001)。なおINREBIC には、Wernicke’s 脳症(ビタミン B1欠乏に起因する神経学的緊急事象)を含む重篤かつ致命的な脳症に対する黒枠付き警告が付されている。