FDA がROS1 陽性転移性非小細胞肺癌(NSCLC)の成人患者の治療薬として、ロシュが開発中のROZLYTREK(一般名:エントレクチニブ)を承認した。また、既知の後天性耐性変異をしていない神経栄養性チロシン受容体キナーゼ(NTRK)遺伝子融合陽性で、転移性であるか、外科的切除が重度の後遺症をもたらす可能性がある、および治療後に進行したか、満足のいく代替療法がない、固形腫瘍の12 歳以上の成人および小児患者の治療について、ROZLYTREK 100 mg & 200mg カプセルをそれぞれ、加速承認、希少病薬および優先審査に指定して認可した。
今回の承認は、ピボタルな第2 相STARTRK-2、第1 相STARTRK-1 および第1 相ALKA-372-001 試験についての統合解析の結果、および第1/2 相STARTRK-NG 試験データに基づいている。統合解析では、ROZLYTREK は、乳癌、胆管癌、結腸直腸癌、婦人科癌、神経内分泌癌、非小細胞肺癌、唾液腺癌、膵癌、肉腫癌、甲状腺癌などのいくつかの固形癌について評価が行われた。ROS1 陽性の転移性NSCLC に対して、ROZLYTREK は78%の癌患者の腫瘍を縮小し [全奏効率(ORR); N = 51]、奏効期間(DoR)は、1.8~36.8+カ月の範囲であった(n=40/51)。ROZLYTREK はまた、NTRK 遺伝子融合陽性、局所進行または転移性固形癌患者の半数以上の癌を縮小し(ORR = 57%; N = 54)、10 種類の癌でORR が観察された(DoR の範囲は2.8〜26.0+カ月でn=31/54)。ROZLYTREK に対するORR は、ベースライン時に中枢神経系転移陽性患者にも認められた。