2019/09/29

PARP1/2 阻害剤veliparib、HER2- 進行/転移性gBRCA 変異+ 乳癌の第3 相試験結果報告

2019 年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会で、アッヴィ が開発中のPARP 阻害剤veliparib について、HER2 陰性進行/転移性gBRCA 変異陽性乳癌患者に対し、veliparib とカルボプラチン +パクリタキセルの併用療法を評価する第3 相試験結果が報告された。被験者の年齢の中央値は47 歳(24〜82)、48%はER/PgR-、8%が白金製剤の治療歴を有し、4%はCNS に転移歴を有し、19%が転移性疾患への化学療法歴を有していた。試験担当医(INV)判定PFS中央値は、veliparib群 14.5ヵ月 (95% CI :12.5, 17.7) 、カルボプラチン +パクリタキセル群12.6 ヵ月(95% CI :10.6, 14.4)であった(HR:0.71 (95% CI :0.57, 0.88), p=0.002)。全生存期間(OS)の中央値(中間解析)は、veliparib群33.5 ヵ月(95% CI :27.6, 37.9)、カルボプラチン +パクリタキセル群28.2ヵ月 (95% CI :24.7, 35.2)であった(HR:0.95 (95% CI :0.95 (0.73, 1.2)), p=0.002)。

(参考)
アッヴィは2014年6月に卵巣がんをスキップして進行性乳がんを対象として、白金製剤カルボプラチンおよびタキサン系化学療法剤パクリタキセルとの3剤併用でP3試験を開始した。その前に2014年1月にはカルボプラチンとの2剤併用でトリプルネガティブ乳がんの臨床を開始し、2017年4月には転移性肺がんのP3試験とともに主要評価項目を達成できなかったと発表していた。今回の試験も申請根拠とするに足るかどうか微妙な結果のように見える。

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