2019/09/29

PD-1阻害薬キートルーダによる早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の術前補助療法が病理学的完全緩解を有意に増加

Merck’s KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus Chemotherapy Showed Statistically Significant Increase in Pathological Complete Response Versus Chemotherapy as Neoadjuvant Therapy in Early-Stage Triple-Negative Breast Cancer (TNBC)

メルクのPD-1阻害薬キートルーダが化学療法剤との併用により、早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する術前補助療法として病理学的完全緩解(pCR)を統計学的に有意に増加した。

術前補助療法の段階で化学療法剤にキートルーダを併用した群(401例)では64.8%がpCRを達成したのに対し、対照群(201例)では51.2%であった(p=0.00055)。PD-L1発現の有無に左右されない成績であった。もう一つの主要評価項目としたEFS(Event free survival)では平均観察期間が15.5か月であり、統計的有意差を確認できる段階ではないものの、進行イベントを37%減少することができた。

PD-1阻害薬を含めて腫瘍免疫領域の抗がん剤で乳がんの適応症を取得しているのはロシュの抗PD-L1抗体テセントリクだけである。本年(2019年)3月に化学療法剤アブラキサンとの併用でPD-L1陽性の転移性トリプルネガティブ乳がんの適応症をFDAが加速承認した。

メルクによるとトリプルネガティブ乳がんは5年以内の再発率が高い難治性のがんであり、乳がん全体の15%-20%を占めている。ロシュによると乳がん全体の15%であるが、50歳以下の患者に多く、他の乳がんよりも進行が速く、生存期間が短くなっている。

Sep 29, 2019Merck, PD-1 inhibitor, Breast cancer, TNBC