独立評価委員会(IRC)に判定されたORRは28% (32/114; 95% CI; 20-37)、IRCによる病勢コントロール率 (DCR)は78% (89/114; 95% CI 69-85)、無増悪生存期間(PFS)の中央値は7.3 カ月 (95% CI; 5.5-9.2)であった。
EGFR exon 20 挿入変異を伴う転移性非小細胞肺癌は、承認された標的治療藥が無く、既存の治療法では効果が限定されている。今回の報告は、mobocertinib が本疾患の標的療法の候補となりうることを示すエビデンスと考えられる。
(参考)EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)を適応症として2015年に承認されたアストラゼネカのタグリッソや2018年に承認されたファイザーのビジンプロなど第二世代のEGFR阻害薬はエクソン19欠損を標的としてきた。エクソン20を標的とするEGFR阻害薬としてはタケダの治験薬が初めてとなるかも知れない。しかし、ヤンセンのMET阻害薬アミバンタマブは昨年(2020年)12月に、EGFRエクソン20挿入変異の非小細胞肺がんを適応症として承認申請(NDA)に至っている。