2021/03/26

FDA、BCMA CAR T 細胞療法ABECMA を再発・難治性多発性骨髄腫治療薬として承認

FDA が、ブリストル・マイヤーズ・スクイブとbluebird bioの、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的としたCAR T 細胞療法ABECMA(idecabtagene vicleucel)(ide-celまたはbb2121)のBLA を、少なくとも4 回またはそれ以上の前治療歴を有する多発性骨髄腫の成人患者の治療薬としてBT 指定、優先審査指定の下で承認した。
ABECMA は、BCMA を特異的に認識するマウス由来一本鎖抗体(scFv)をT 細胞外に有し、これにヒトCD8αヒンジ、膜貫通ドメイン、T 細胞内シグナルドメインのCD137(4-1BB)およびCD3ζ鎖が直列に結合している。ABECMA が多発性骨髄腫細胞の表面に発現しているBCMA を認識して結合すると、CAR T 細胞が増殖しサイトカイン が放出され、BCMA 発現細胞が融解・殺傷される。
再発・難治性多発性骨髄腫(r/rMM)成人患者を対象とした国際共同第2 相試験KarMMa 試験において、有効性評価可能患者グループ(n = 100)の奏効率(ORR)は72%(95%CI:62-81)であり、患者の28%が厳格な完全奏効(sCR)を達成した(sCR; 95%CI:19-38)。奏効までの期間の中央値は30 日(範囲:15〜88 日)、奏効期間中央値は全てのCR 患者で11 カ月(95%CI:10.3〜11.4)、sCR 患者で19 カ月(95%CI:11.4 – NE)であった。