2021/03/05

YESCARTAによる全身療法治療歴の有る再発/難治性濾胞性リンパ腫(2L)をFDAが加速承認

3 月5 日、Gilead Sciences 傘下のKite Pharma は、FDA が、全身療法の2 回以上の前治療歴のある再発/難治性濾胞性リンパ腫(FL)の成人患者の治療薬としてYESCARTA (axicabtagene ciloleucel)を加速承認したと発表した。今回の承認により、YESCARTA は、低悪性度濾胞性リンパ腫の患者に対して承認された最初のCAR T細胞療法となり、FDAのBreakthrough Therapyと優先審査の指定の下で、Kite の細胞療法の3 番目の承認効能になった。

低悪性度濾胞性リンパ腫(iFL)では、腫瘍細胞はゆっくりと成長するが、時間の経過とともにより侵攻性になる可能性のある、低悪性度の非ホジキンリンパ腫(iNHL)の一種である。FL は、低悪性度リンパ腫の最も一般的な形態であり、世界で2 番目に多いリンパ腫である。これは、世界中で診断された全てのリンパ腫の約22%を占めている。現在、2 回以上の治療後の再発または難治性の低悪性度FL の治療の選択肢は限られている。本効能は、奏効率に基づく加速承認の下で承認されたため、継続的な承認を維持するには、承認後の確認試験で、臨床上のベネフィットを証明しラベルへの記述が承認条件である。CBER のwebsite に承認関連の文書が公開されていないため、確認試験の最終報告書の提出期限は明らかでない。

今回の承認は、再発または難治性FL 患者のうち、18 カ月時点での奏効期間の推定持続率(Kaplan-Meier 推定)74%を含む、91%の患者(n = 81)が
YESCARTA に奏効を示した(うち完全奏効;60%)、単一群非盲検の第2 相ZUMA-5 試験(NCT03105336)の結果に基づいている。全てのFL 患者に対して、追跡期間の中央値が14.5 カ月の時点では、奏効期間の中央値は未達であった。安全性分析セット(n = 146)では、グレード3 以上のcytokine 放出症候群(CRS)と神経毒性がそれぞれ、患者の8%と21%に発現した。