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2023/05/04

CHMP、HDV 治療薬HEPCLUDEX の条件付販売承認の標準販売承認への移行を承認勧告

EMA のヒト用医薬品委員会(CHMP)は、成人の慢性疾患のD 型肝炎ウイルス(HDV) および代償性肝疾患の治療薬、Gilead Sciences, Inc. (ギリアド)のHEPCLUDEX (一般名:bulevirtide)について、特定の義務(毎年の年次更新、臨床上のベネフィットの確認)の対象にならないフルの標準販売承認(MA)の付与を推奨する承認勧告を採択した。
CHMPの肯定的な見解は、bulevirtideの有効性と安全性を実証するpivotal 第3 相MYR301 48週試験データの審査結果に基づいており、条件付販売承認に関連する特定の義務が削除された。欧州委員会(EC)は CHMP の承認勧告を検討し、採用された場合、bulevirtideは慢性HDV および代償性肝疾患を有する成人の治療に対して欧州連合で完全に承認される。
米国では、bulevirtideは、FDA によってBreakthrough Therapy および希少病薬に指定されている。 bulevirtideは現在、米国では未だ承認されていないが、ギリアドは米国で HDV 患者に bulevirtideを可及的早期に提供することを目的として、引き続き FDA と活発な議論を続けている。

2023/03/20

ギリアド、Nurix のIRAK4 標的タンパク質分解薬開発候補NX-0479License 供与Option 権行使

Gilead Sciences, Inc. (ギリアド)と標的タンパク質調節療法を開発している臨床段階のバイオ医薬品企業Nurix Therapeutics,Inc. (Nurix)は、Gilead がNurix の開発中の標的タンパク質分解薬分子NX-0479 を独占的License のOption 権を行使したと発表した。GS-6791 と呼ばれるこの二価分解薬は、革新的な標的タンパク質分解療法の創薬、開発、商業化のために、以前に発表された Nurix-Gilead 提携契約から創製された最初の開発候補品である。
GS-6791は、強力で選択的な経口 IRAK4 分解剤で、IRAK4 プロテインキナーゼ基盤骨格とキナーゼ機能の両方を標的とし、toll-like receptor (TLR)および炎症誘発性 IL-1 サイトカイン受容体(IL-1R)ファミリーの下流の炎症反応をブロックする。GS-6791 によるIRAK4 の分解は、新たな追加のシグナル伝達nodes に影響を与える可能性があるため、キナーゼ阻害と比較して、TLR/IL-1R シグナル伝達をより持続的かつより深く阻害すると仮定されている。IRAK4 分解は、関節リウマチ(RA)およびその他の炎症性疾患の治療に潜在的な応用性を有している。

2023/02/03

抗Trop-2 ADC TRODELVY のHR 陽性/HER2 陰性転移性乳癌に対する2 次療法をFDAが承認

FDA が、転移状態で内分泌ベースの治療と少なくとも 2 レジメンの追加の全身療法を受けた、切除不能局所進行性または転移性ホルモン受容体 (HR) 陽性で、ヒト上皮成長因子受容体 2 (HER2) 陰性 (IHC 0、IHC 1+又はIHC 2+ /ISH–)乳癌の成人患者の治療に、Gilead Sciences, Inc. (ギリアド)の抗Trop-2 ADC TRODELVY® (sacituzumab govitecan-hziy)を承認した。TRODELVY は現在、癌の臨床診療ガイドライン (NCCN Guidelines®)により、転移性 HR+/HER2- 乳癌の優先治療であるカテゴリー 1 で推奨されている。
今回の承認審査は、Project Orbis の下で優先審査により承認された。欧州医薬品庁(EMA)はまた、HR+ / HER2- 転移性乳癌におけるTRODELVY のType II 変更申請を検証し、中央審査方式による審査を開始する。
承認の根拠となったのは、第3 相TROPiCS-02 試験(NCT03901339)の結果である。統計的に有意で臨床的に意味のある無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の延長が認められた。

2022/10/03

Kiteの自社製品製造用南California viral vector製造施設、FDAから承認を取得し能力強化

Gilead Sciences傘下のKite Pharma は、FDAが、カリフォルニア州Oceansideにある同社のretroviral vector (RVV) 製造施設における商業生産の申請を承認したと発表した。
viral vectorは、特定の血液癌を治療するKiteの細胞療法を製造するために必要な、重要なコンポーネントである。Kite は、社内で商業用および臨床試験用のviral vector製造能力を持つ唯一の細胞療法企業であり、強力な外部供給パートナーを更に強化するものである。自社施設によって提供されるタイムリーで信頼できるviral vector生産の確実性は、CAR T細胞療法を大規模な商業規模で確実に提供し、将来の治療法を開発する臨床試験への供給を提供するための不可欠な強化である。

2022/08/22

年2回投与の持続型HIV治療薬

 08/22 Gilead, Long-acting antiviral, HIV

Gilead Announces First Global Regulatory Approval of Sunlenca® (Lenacapavir), the Only Twice-Yearly HIV Treatment Option

  • ギリアドは年2回投与が可能となった持続型HIV治療薬サンレンカ(Sunlenca、一般名 レナカパビル)の世界初の承認を欧州で取得した。

唯一の年2 回投与HIV 治療薬SUNLENCA、初のglobal 規制当局EC による承認

欧州委員会(EC)がGilead Sciences, Inc.(ギリアド)の SUNLENCA (一般名:lenacapavir)の注射剤および錠剤を、他の方法では抑制性の抗ウイルスレジメンを構築することが不可能な成人の多剤耐性 HIV 感染症に、他の抗レトロウイルス薬との併用による、HIV 感染症治療法として販売承認を認可した。lenacapavir は、多段階の作用メカニズムを備えたfirst-inclassのカプシド 阻害剤で、他の既存の薬剤クラスに対する交差耐性は無く、ウイルスが効果的に反応しなくなった HIV 感染者に 6 カ月毎に1 回投与する新しい治療オプションを提供する。
治療歴を重ねた多剤耐性 HIV 患者を対象に、lenacapavir を最適化したbackground regimen と組み合わせて評価した第 2/3 相 CAPELLA試験のデータによって裏付けられている。unmet medical needs の高いこれらの患者集団では、最適化されたbackground regimen に加えてlenacapavir を投与された被験者の 83% (n=30/36)が、52 週目に検出限界以下のウイルス 量 (<50 copy/mL) を達成した。さらに、CAPELLA 試験では、CD4 陽性細胞数が平均 83 cells/μL に増加した。
EU における販売承認は、主要な規制当局によるlenacapavir.の審査における最新のマイルストンである。7 月、FDA は、開発中のlenacapavir.のNDA の再提出を審査のために受理し、FDA PDUFA が、2022 年12 月27 日に設定された。規制当局による追加の申請と許認可は、2022 年を通して継続する予定である。

2022/08/15

TROP-2標的ADC抗体薬の大中華圏における権利

 08/15 Gilead, BDL

Gilead to Acquire Remaining Worldwide Rights of Trodelvy - Clinical Development and Commercialization in Greater China 

  • ギリアドはTROP-2標的ADC抗体薬サシツズマブ ゴビテカン(Trodelvy)の大中華圏を中心に未取得だったグローバル臨床開発および商業化の権利を取得した。 

2022/08/04

免疫チェックポイント作動薬の開発をめぐるM&A

 08/04, Gilead, M&A

Gilead Sciences to Acquire MiroBio – Acquisition Provides Gilead with MiroBio’s Pipeline of Immune Checkpoint Agonists and Proprietary Discovery Platform –

  • ギリアド・サイエンシズはミロバイオ社(MiroBio) を買収し、免疫チェックポイント作動薬の開発パイプラインおよび独自の研究基盤を取得した。

2022/06/06

TROP-2標的抗体薬物複合体による転移性トリプルネガティブ乳がんの二次治療

 06/06, GILD, TROP-2, TNBC

Final Data From Phase 3 ASCENT Study Demonstrates Trodelvy Extends Overall Survival Over Chemotherapy in Second-Line Metastatic TNBC

ギリアドのTROP-2標的抗体薬物複合体トロデルヴィ(Trodelvy)は、転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する二次治療を対象としたP3試験ASCENTの最終データにおいて化学療法剤を上回る全生存期間の延長を示した。

2022/05/02

ギリアドとDragonfly、癌と炎症領域におけるTri -Specific NK 細胞療法の共同開発契約締結

ギリアドとDragonfly Therapeutics (Dragonfly)は、癌および炎症領域の新規治療法の開発を目指して、Dragonfly の新規NK 細胞エンゲージメントによる複数の免疫療法を進める戦略的提携契約を締結したと発表した。NK 細胞エンゲージメントは、チェックポイント阻害剤に耐性および難治性の腫瘍、ならびに炎症などの他の疾患領域における可能性を含む、広範囲の癌種に対する可能性を秘めた新しい作用機序を有している。
契約に基づいてギリアド は、5T4 を標的とする前臨床試験段階にある免疫療法プログラムDF7001 について、Dragonfly からグローバルな独占的ライセンスを取得する。この契約はまた、特定の前臨床開発完了後、Tri-specific NK Engager Therapies (TriNKETs) 技術を使用して新たなNK 細胞エンゲージメントプログラムの開発と商業化の独占的グローバルな権利をライセンス供与するオプション権をギリアドに付与する。

DF7001 は、癌細胞に対するNK および細胞傷害性T 細胞を活性化し殺細胞活性を誘導するように設計されたTriNKET である。DF7001 のターゲットは5T4 で、非小細胞肺癌、膵臓癌、乳癌、頭頸部扁平上皮癌など、いくつかの癌の予後不良に関連する腫瘍増殖をサポートする癌細胞と間質細胞に発現するタンパク質である。DF7001 は、腫瘍細胞、癌関連線維芽細胞、癌幹細胞などの5T4+発現細胞の死滅を引き起こす可能性がある。このプログラムは、2023 年前半にIND の申請を行う予定。

2022/04/13

TROP-2阻害薬による尿路上皮がんの治療

 04/13, GILD, TROP-2, Urothelial cancer

U.S. FDA Grants Accelerated Approval to Trodelvy® for the Treatment of Metastatic Urothelial Cancer

FDAはギリアドのTrodelvyを転移性尿路上皮がんの治療薬として加速承認した。

2022/04/01

CAR T細胞療法による大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の第一次選択治療

04/01GILDCAR-TLBCL1st Line

Yescarta® Receives U.S. FDA Approval as First CAR T-cell Therapy for Initial Treatment of Relapsed or Refractory Large B-cell Lymphoma (LBCL)
  • ギリアドの子会社となったカイトが開発したイエスカルタ(Yescarta)は再発性または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の初期治療となる初めてのCAR T細胞療法として米国FDAの承認を取得した。

FDA、CAR-T 療法YESCARTA の再発性/難治性大細胞型B細胞リンパ腫の1次療法を承認

FDAが1 次化学免疫療法に抵抗性か、あるいは、1 次化学免疫療法から12 カ月以内に再発した、大細胞型B 細胞リンパ腫の成人患 者に対して、ギリアド サイエンシズ 傘下のKite Pharma のCAR-T細胞療法YESCARTA(axicabtagene ciloleucel)の効能追加を承認した。ZUMA-7 試験において、YESCARTA は標準療法(SOC)に比べて、無イベント生存率(EFS)を有意に改善した(ハザード比0.398; P <0.0001)。YESCARTAはSOC に対して2 年生存率を2.5倍以上増加させ(40.5% vs. 16%)、EFS中央値を4 倍以上延長した(8.3 カ月 vs. 2.0 か月)。ZUMA-7 試験は、この種の最初で最大規模の臨床試験であり、追跡期間が最も長いという画期的な試験でもあるとされている。全米総合癌ネットワーク(NCCN)は、びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫(DLBCL)の「再発性疾患<12 カ月または原発性難治性疾患」の治療に、「カテゴリー1」の推奨としてYESCARTA を加えた。YESCARTA は、NCCN の「カテゴリー1」の推奨を受けた最初のCART 細胞療法である。

2022/01/10

TRODELVY の転移性非小細胞肺癌への1 次療法としてキイトルーダ との併用臨床試験契約

Gilead Sciences は、Gileadの抗Trop-2 抗体-薬物複合体(ADC) TRODELVY (sacituzumab govitecan-hziy)とMSDの抗PD-1 抗体キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)との併用による転移性非小細胞肺癌(NSCLC)に対する1 次療法を評価するために、MSDと2 本の臨床試験の提携契約および供給契約を締結した。
TRODELVY は、Trop-2 発現細胞を特異的に標的とする抗体薬物複合体であり、標的細胞を選択的に殺す細胞毒性のpayload の局所への送達を可能にする。TRODELVY は、米国では転移性トリプルネガティブ乳癌(TNBC)の2 次療法として承認されており、前治療歴のある成人の転移性尿路上皮癌(UC)の治療法としても加速承認プログラムの下で承認されている。しかしNSCLC の治療薬としてのTRODELVY は、現在のところ臨床評価中であり、この使用の安全性と有効性は、世界中の何れの規制当局によっても確立または承認はされていない。

2021/10/01

B細胞急性リンパ性白血病(ALL)の成人患者に対する初めてのCAR-T療法

10/01, GILD, CAR-T, ALL

U.S. FDA Approves Kite’s Tecartus® as the First and Only Car T for Adults With Relapsed or Refractory B-cell Acute Lymphoblastic Leukemia

米国FDAはカイト(ギリアド子会社)のテカルタス(Tecatus)を再発・難治性のB細胞急性リンパ性白血病の成人患者に対する初めてのCAR-T療法として承認した。

2021/07/19

BioNTech, Kite のneoantigens TCR 細胞療法R&D Platform と製造施設(ゲティスバーグ)買収

BioNTech SE (BioNTech)とGilead Sciences のKite は本日、BioNTech がKiteの米国メリーランド 州ゲティスバーグにある固形癌ネオアンチゲンT 細胞受容体(TCR) のR&D Platform と臨床試験用被験薬製造施設を買収するための購入契約を締結したと発表した。BioNTech が買収する米国メリーランド 州ゲティスバーグの製造施設は、米国における臨床試験をサポートする生産能力を有しドイツIdar-Oberstein にあるBioNTechの既存の細胞療法の製造施設を補完する。本施設は、CAR-T 細胞増幅mRNA Vaccine(CARVac)およびNEOSTIM Platform に基づく抗癌剤開発候補、及び新たに取得した個別のネオアンチゲンTCR プログラムを含む、BioNTech の新たな細胞療法のパイプラインの拡大をサポートする。
TCR 療法とは、 腫瘍を認識して標的とするために患者の免疫系をリダイレクトするように設計された細胞性免疫療法の一種である。細胞表面の抗原を認識するCAR とは対照的に、TCR 療法では、細胞内抗原と細胞外抗原の両方からpeptide 断片を認識できるTCRを発現するように個別のT 細胞のエンジニアリングが関与することになる。複雑なTCR 療法は固形癌の治療においてより効果的である可能性がある。

2021/06/21

COVID-19抗ウイルス薬VEKLURY (remdesivir)が後ろ向き実臨床データ分析により死亡率低下を証明

6 月21 日、Gilead Sciences, Inc.(Gilead)は、VEKLURY(remdesivir)を投与された入院患者の死亡率と退院に関する既存の各種データへの新たな追加となる、COVID-19 入院患者の実臨床に関する 3 本の後ろ向き解析から得られた良好なデータを発表した。今週開催された世界微生物Forum(WMF)で発表された3 本の実臨床試験解析では、全患者集団でVEKLURY を投与された入院患者は対照群と比較して、死亡率が有意に低いことが確認された。この死亡率の低下は、ベースラインで受けていた酸素補給の種類を問わず観察された。本結果はパンデミックのいずれの期間やさまざまな地域で一貫して観察されたものである。また、2 本の試験でVEKLURY投与患者が28 日目までに退院する確率が有意に高まったことも確認された。

WMF 発表の3 本の実臨床データ解析は、98,654 人のCOVID-19 入院患者が対象で、このうち2 本の後ろ向き試験では、Health Verity 社とPremier Healthcare 社のデータベースから米国における治療経過および臨床転帰を観察した。3 本目の解析は、クローバル非盲検SIMPLESevere試験の拡大フェーズで、VEKLURY 10 日間投与患者と、実臨床データを用いた後ろ向きの縦断的コホート試験で標準治療患者の臨床転帰の比較がなされた。

1. Aetion 社と HealthVerity 社による解析

HealthVerity 社が Aetion 社と共同で実施した米国を基準とする実臨床データを用いた後ろ向き比較分析において、2020 年5 月1 日~2021年5 月3 日の間にVEKLURY治療を受けた COVID-19 入院患者(n=24,856)と対象群(n=24,856)の死亡率および退院の確率を評価した。対照群は、入院日、入院からVEKLURY 投与開始までの日数、年齢、性別、ベースライン時点の酸素必要量、corticoids 使用量に関するリスクセットサンプリングを用いて、VEKLURY の治療を受けた患者と1:1 にマッチングさせた。ベースライン時点の臨床的・人口統計学的特性、併存疾患、併用薬に基づいて比較可能なグループを確立するために、1:1 の傾向スコアによるマッチングが適用された。主要評価項目は、死亡までの期間とした。その結果、ベースラインの酸素必要量に関わらず、VEKLURY 群は、対照群に比べて統計的に死亡リスクが有意に23%の低下が認められた(HR=0.77、95%CI:0.73~0.81)。全般的には、VEKLURY 投与による 5 日間のフルコースを完了した患者群において、28 日目までに退院できる確率が対照群に比べて有意に高い結果となった(HR=1.19、95%CI:1.14~1.25)。またこの効果は、ベースライン時点で低流量の酸素補給を受けていた患者群において最も顕著であることが判明した。

2. Premier 社による解析:Premier Healthcare Database の実臨床データを用いた後ろ向き比較分析において、2020年8月~11月の間に治療を受けたVEKLURY群(n=28,855)とVEKLURYによる治療を受けなかった対照群(n=16,687)で死亡率を比較した。患者群は、ベースライン時点の酸素必要量、病院、2 カ月以内の入院期間でマッチングさせ、治療開始後 3 日以上入院した患者を対象に、死亡までの期間を主要評価項目とした。

本解析においてVEKLURY 投与患者群では、非投与患者群と比較して、14 日目(HR=0.76、95%CI;0.70~0.83, p<0.0001)および28 日目(HR=0.89, 95%CI;0.82~0.96, p=0.003)の死亡率が有意に低下した。また、ベースライン時点で酸素療法を必要としない(HR=0.69、95%CI;0.57~0.83, p<0.001)か、低流量酸素療法(HR=0.68, 95%CI;0.60~0.77, p<0.0001)、侵襲的人工呼吸器またはECMO(HR=0.70, 95%CI;0.58~0.84, p=0.0001)の処置を受けたVEKLURY 投与群は14 日間の死亡率が有意に低い結果となった。また、28 日目の死亡率についても、酸素療法を必要としない(HR=0.80, 95%CI;0.68~0.94, p=0.007)か、低流量酸素療法(HR=0.77, 95% CI;0.68~0.86, p<0.0001)、侵襲的人工呼吸器、またはECMO(HR=0.81, 95%CI;0.69~0.94, p=0.007)による処置を受けたVEKLURY 投与群において、有意な減少が認められた。ベースライン時点で高流量酸素療法を受けていたVEKLURY 投与群では、14 日目の死亡率は有意に低い結果となった(HR=0.81, 95%CI;0.70~0.93, p=0.0043)が 、28 日目では統計的に有意差は認められなかった(HR=0.97, 95%CI;0.84~1.11, p=0.646)。

3. SIMPLE-Severe 試験による解析

本試験は、重症の COVID-19(室内空気中の酸素飽和度94%未満、または酸素補給を受けており放射線学的に肺炎の画像所見がみられる)成人入院患者を対象に、無作為化、非盲検、多施設共同、第3 相試験で、この結果についてはすでに発表済みである。本試験では、VEKLURY の5 日間および10 日間の投与期間を評価することを主な目的としたため、初期フェーズでは標準治療の比較対照群を設けていなかった。WMF発表の後ろ向き実臨床解析では、SIMPLE-Severe 試験の非盲検拡大フェーズでVEKLURY 投与入院患者(n=1,974)と、VEKLURY 非投与入院患者を対象とした実臨床の縦断的後ろ向きコホート試験の傾向スコアで重み付けした入院患者(n=1,426)の死亡率を比較した。傾向スコアによる重み付けを行い、ベースライン時点の人口統計、地域、臨床特性、併用薬、併存疾患が一貫していることが確認された。また、死亡までの期間を主要評価項目とした。この解析では、ベースライン時点の酸素必要量に関わらず、全ての患者群においてVEKLURY 治療群は、VEKLURY 非治療群と比較して、統計的に28 日後の死亡率を54%有意に低下することが確認された(HR=0.46, 95%CI:0.39~0.54, p<0.001)。VEKLURY の10 日間投与を完了した患者群は、VEKLURY 非投与群と比較して、28 日以内の退院までの期間が有意に短かったことも示された(HR=1.64, 95% CI;1.43~1.87, p<0.001)。退院までの期間では、ベースライン時点で侵襲的人工呼吸器またはECMO 治療を受けていた患者群では有意差はなかった(HR=0.92, 95% CI;0.62~1.36, p=0.68)。

参考 placebo 対照、二重盲検ACTT-1 試験

米国国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が実施したグローバル、無作為化、二重盲検、placebo 対照、第3 相ACTT-1 試験(NTC04280705)では、標準治療を受けている軽症、中等症または重症のCOVID-19 成人入院患者1,063 人を対象に、VEKLURY の10 日間投与の有効性と安全性についてplacebo 群と比較した。ACTT-1 試験の主要評価項目は、無作為化後29 日後までの回復までの期間とし、死亡率については事前に指定された副次的評価項目とした。試験結果および追加で行った死亡率の事後解析結果は、2020 年10 月8 日付NEJM 誌に掲載済みである。

placebo 群(n=521)と比較して、VEKLURY 群(n=541)では、29 日目の死亡率が低下する傾向が全体患者集団で見られた(11% vs. 15%、HR=0.73、95%CI;0.52~1.03)が、統計的有意差は認められなかった。全体集団における疾患の重症度に幅があることから、ベースライン時の患者の臨床状態によって死亡率に差があるかどうかを確認するため、多重検定の調整を行わない事後解析を実施した。この解析では、ベースライン時点で低流量酸素補給を必要とする患者がVEKLURY の投与を受けた場合、29 日目の死亡率が統計的に有意に70%減少した

(4% vs 13%、HR=0.30; 95%CI; 0.14~0.64)。(完)

(主な出典:https://www.gilead.com/news-and-press/press-room/press-releases/2021/6/gileads-veklury-remdesivir-associated-with-a-reduction-in-mortality-rate-in-hospitalized-patients-with-covid19-across-three-analyses-of-large-ret他)

2021/06/12

イエスカルタの再発性/難治性濾胞性リンパ腫の長期データ、標準療法の生存率を大幅改善

ギリアド・サイエンシズ傘下のKite Pharma の、再発または難治性低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)の濾胞性リンパ腫(FL)患者の治療法として承認された最初で唯一のCAR T細胞療法イエスカルタ(一般名:アキシカブタゲン シロルユーセル)のピボタル第2 相ZUMA-5試験追跡調査結果が第26 回欧州血液学会年次総会(EHA 2021)で発表された(Abstract#LB1904)。
最小追跡調査期間18 カ月において、患者の94%が奏効(ORR)を達成し、副次的評価項目の無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の中央値は未到達であった。ZUMA-5 試験と外部対照コホートSCHOLAR-5 の患者データを比較した加重分析で、イエスカルタは現在の標準療法よりも優れたOS およびPFS を示した。

(参考)
CAR-T細胞療法として世界で初めて承認されたカイムリアは急性リンパ性白血病(ALL)を初回適応症とし、翌年に播種性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の効能が追加された。ギリアドが後に買収したカイトが開発したイエスカルタも2017年に承認されたが適応症はDLBCLだけであった。適応症に白血病(ALL)はないものの、イエスカルタの売上高はカイムリアを上回り、2020年は5.6億ドルとなった。本年(2021年)3月には濾胞性リンパ腫(FL)の効能追加が承認された。

2021/04/07

GileadのTROP-2阻害薬をFDAが転移性トリプルネガティブ乳がん治療薬として最終承認

4 月7 日、Gilead Sciences, Inc.(Gilead)は、FDA が、抗TROP-2 ADC 薬TRODELVY に対して、2 回以上の全身療法歴が有り、そのうちの少なくとも1 回は転移病巣の治療歴のある、成人の切除不能局所進行性または転移性トリプルネガティブ乳癌(TNBC)患者の治療について加速承認された効能を、完全承認(標準承認)に移行することを承認したと発表した。

1. TRODELVY(sacituzumab govitecan-hziy)の初回承認:
2018 年5 月申請、2019 年1 月CRL受領、2019 年12 月再申請、2020 年4 月に 加速承認の下で承認された。承認条件として、臨床上のベネフィットの確認試験の終了2020 年4 月、最終報告提出期限が2020 年10 月に設定されていた。今回のsBLA は、2020 年11 月23 日に提出し、本日4 月7 日に臨床上のベネフィットとして全生存期間の改善の証明が認められ、標準承認への移行が認められた。

2. 確認試験の第3 相ASCENT 試験:
非盲検、実薬対照、無作為化、比較試験で、2 回以上の全身療法(taxane を含む)を受け、少なくとも1 回の転移病巣への治療歴の有る、再発/難治性、転移性TNBC の500 人以上の患者が登録された。患者は、TRODELVY または臨床試験担当医によって選択された化学療法のいずれかを受けるように無作為化された。主要有効性評価項目は、ベースライン時点で脳転移の無い患者の無増悪生存期間(PFS)であり、基準としてRECISTv1.1 を使用した盲検下独立中央審査によって測定された。追加の有効性の判定には、全患者集団(脳転移のある患者と無い全の患者)のPFS と全生存期間(OS)が含まれていた。

3. 今回の一変承認の根拠:
この承認は、TRODELVY が確認試験で統計的に有意に臨床的に意義のある病勢悪化または死亡のリスク [無増悪生存期間(PFS)]を57%低下させた。TRODELVY 治療群のPFS の中央値を対照の化学療法1.7 カ月から4.8 カ月に延長した第3 相ASCENT 試験データで裏付けられている(HR:0.43; 95%CI:0.35-0.54; p <0.0001)。TRODELVYはまた、全生存期間(OS)の中央値を、化学療法の6.9 か月に対して11.8 カ月に延長し(HR:0.51; 95%CI:0.41-0.62; p <0.0001)、死亡のリスクを49%減少させた。

4. TRODELVY:
本品は、TNBC を含む複数のタイプの上皮性腫瘍で頻繁に発現しているタンパク質のTrop-2 受容体を対象にしており、この受容体の高発現は、生存率の低下と再発に関連している。TRODELVY がFDA 承認される前は、それまでに治療を受けてきた転移性TNBC 患者は、この高いアンメットニーズの設定では治療の選択肢がほとんど存在しなかったことから新たな治療の選択肢の出現が切望されたいた。FDA は、第1/2 相試験における奏効率と奏効期間に基づいて、上記のように2020 年4 月にTRODELVY を加速承認で認可した。本日の承認により、これまでのTRODELVY の効能を拡大し、2 回以上の全身療法を受け、うち少なくとも1 回の転移性疾患に対する治療歴の有る、切除不能、局所進行、または転移性TNBC の成人患者の治療が継続されることになった。

5. TNBC:
攻撃的なタイプの乳癌で、全ての乳癌の約15%を占めている。この疾患は、若くて閉経前の女性により頻繁に診断され、アフリカ系アメリカ人とヒスパニック系の女性により多く認められる。 TNBC 細胞は、estrogen およびprogesteron 受容体を有さず、HER 2 発現も制限されている。したがって、これらの受容体を標的とする治療薬は、通常、TNBC の治療に効果的ではない。

2021/03/05

YESCARTAによる全身療法治療歴の有る再発/難治性濾胞性リンパ腫(2L)をFDAが加速承認

3 月5 日、Gilead Sciences 傘下のKite Pharma は、FDA が、全身療法の2 回以上の前治療歴のある再発/難治性濾胞性リンパ腫(FL)の成人患者の治療薬としてYESCARTA (axicabtagene ciloleucel)を加速承認したと発表した。今回の承認により、YESCARTA は、低悪性度濾胞性リンパ腫の患者に対して承認された最初のCAR T細胞療法となり、FDAのBreakthrough Therapyと優先審査の指定の下で、Kite の細胞療法の3 番目の承認効能になった。

低悪性度濾胞性リンパ腫(iFL)では、腫瘍細胞はゆっくりと成長するが、時間の経過とともにより侵攻性になる可能性のある、低悪性度の非ホジキンリンパ腫(iNHL)の一種である。FL は、低悪性度リンパ腫の最も一般的な形態であり、世界で2 番目に多いリンパ腫である。これは、世界中で診断された全てのリンパ腫の約22%を占めている。現在、2 回以上の治療後の再発または難治性の低悪性度FL の治療の選択肢は限られている。本効能は、奏効率に基づく加速承認の下で承認されたため、継続的な承認を維持するには、承認後の確認試験で、臨床上のベネフィットを証明しラベルへの記述が承認条件である。CBER のwebsite に承認関連の文書が公開されていないため、確認試験の最終報告書の提出期限は明らかでない。

今回の承認は、再発または難治性FL 患者のうち、18 カ月時点での奏効期間の推定持続率(Kaplan-Meier 推定)74%を含む、91%の患者(n = 81)が
YESCARTA に奏効を示した(うち完全奏効;60%)、単一群非盲検の第2 相ZUMA-5 試験(NCT03105336)の結果に基づいている。全てのFL 患者に対して、追跡期間の中央値が14.5 カ月の時点では、奏効期間の中央値は未達であった。安全性分析セット(n = 146)では、グレード3 以上のcytokine 放出症候群(CRS)と神経毒性がそれぞれ、患者の8%と21%に発現した。