2021/04/08

切除不能進行/転移性扁平上皮食道癌、OPDIVO+化学療法が化学療法より生存ベネフィット

 4 月8 日、Bristol Myers Squibb(BMS)は、切除不能進行または転移性扁平上皮食道癌(ESCC)患者を対象に、OPDIVO(nivolumab)+化学療法の併用療法、及びOPDIVO+YERVOY(ipilimumab)の併用療法を評価した第3 相CheckMate -648 試験の良好な最新結果を発表した。

1. CheckMate -648 試験:本試験は、切除不能進行または転移性扁平上皮食道癌患者を対象に、OPDIVO+YERVOY の併用療法、およびOPDIVO+fluorouracil+cisplatin の併用療法をfluorouracil+cisplatin の併用療法と比較評価した無作為化、第3 相臨床試験である。本試験の主要評価項目は、OPDIVO による 2 つの併用療法を化学療法と比較した PD-L1 陽性患者におけるOS および BICR の評価による PFS である。副次評価項目は、全無作為化集団におけるOS、およびBICR の評価によるPFS である。OPDIVO+YERVOY 併用群には、OPDIVO3 mg/kg を2 週間間隔(Q2W)、およびYERVOY 1 mg/kg を 6 週間間隔(Q6W)で、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、最長24 カ月間にわたり投与した。OPDIVO+化学療法併用群には、4 週間を1 サイクルとして、OPDIVO 240 mg を第1 日目と第15 日目に、fluorouracil 800 mg/m²/day を第1 日目から第5 日目まで(5 日間)、cisplatin 80 mg/m²を第 1 日目に投与した。OPDIVO の投与は、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、最長 24 カ月間にわたり継続された。化学療法の投与は、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで継続された。

2. BMS 消化器癌領域開発責任者Dr. Ian M. Waxman のコメント:

「これらのOPDIVO による併用療法の結果は、新たな治療の選択肢の出現によって、ベネフィットを得られる可能性を示しており、病勢進行後に診断されることが多い食道癌患者にとって大きな意味を持つものである。本試験は、消化器癌などのアンメットニーズの高い患者のアウトカムを改善する併用療法を探求する我々のコミットメントをさらに後押しするものである。」と述べている。CheckMate -648 のデータは、CheckMate -649 のデータをさらに積み重ねるものであり、OPDIVO が腫瘍の組織型および部位(胃、胃食道接合部および食道)に拘わらず、上部消化管癌の1 次療法において良好な生存ベネフィットを示した最初で唯一の PD-1 阻害薬となる。

3. 本試験結果の概要: 

1) OPDIVO+化学療法の併用療法; あらかじめ計画された中間解析において、主要評価項目である PD-L1 陽性患者における全生存期間(OS)および副次評価項目である全無作為化患者集団(ITT)でのOS で、統計学的に有意かつ臨床的に意義あるベネフィットを示した。加えて、同併用療法は、主要評価項目である PD-L1 陽性患者での盲検下独立中央判定(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義ある改善を示した。

2) OPDIVO+YERVOY の併用療法;主要評価項目である PD-L1 陽性患者におけるOS および副次評価項目である全無作為化患者集団におけるOS で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を達成した。しかしながら、同併用療法は、もう一つの主要評価項目であるPDL1陽性患者での BICR の評価によるPFS の改善については達成に失敗した。

3) 安全性; OPDIVO およびOPDIVO+YERVOY 併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されたプロファイルと一貫していた。