5 月5 日、重篤な感染症の次世代vaccine を開発しているバイオ企業Novavax、Inc.(Novavax)は、南アで実施されたCOVID-19 vaccine 候補のNVX-CoV2373 のB.1.351 変異株に対する第2b 相試験の最初の結果がNEJM 誌に掲載されたと発表した(DOI:10.1056/NEJMoa2103055)。
1. 背景:
SARS-CoV-2 変異株の出現は、COVID-19 pandemic の制御に向けた進展を脅かしている。健常成人を対象にした第1/2 相試験では、NVXCoV2373 ナノ粒子vaccine の接種は、忍容できる安全性プロファイルを示し、強力な中和抗体応答および抗原特異的多機能CD4 +T 細胞応答と関連していた。vaccine の有効性評価は、進展中のSARS-CoV-2 感染状況下で、求められていた。
2. 方法:
南アでのこの第1/2 相試験では、18 歳から84 歳までのヒト免疫不全ウイルス(HIV)陰性の成人、または18 歳から64 歳までの医学的に安定したHIV 陽性の参加者を1対1 の比率に無作為に割り付けた。 NVX-CoV2373 vaccine(5 μg 組換えスパイク(S)タンパク質+50 μg Matrix-M1 Adjuvant)またはplacebo のいずれかを2 回接種した。主要評価項目は、これまでにSARS-CoV-2 に感染していない参加者の、2 回目の投与から7 日以上経過後の臨床検査で確認された症候性Covid-19 に対する安全性と有効性であった。
3. 結果:
スクリーニングを受けた6,324 人の参加者のうち、4,387 人がvaccine またはplaceboの注射を少なくとも1 回受けた。参加者の約30%がベースライン時点でSARS-CoV-2 に対して血清陽性であった。2,684 人のベースライン血清陰性参加者(94% HIV 陰性、および6% HIV陽性)の中で、主に軽症から中等症のCOVID-19 がvaccine 接種群の15 人の参加者とplacebo群の29 人に発症した(vaccine 有効性、49.4%; 95%CI; 6.1, 72.8)。HIV 陰性の参加者のvaccine有効性は60.1%(95%CI、19.9〜80.1)であった。 41 株のシーケンス解析に供せられた分離株のうち、38 株(92.7%)がB.1.351 と同定された。B.1.351 株に対する事後に解析したvaccineの有効性は、HIV 陰性の参加者で51.0%(95%CI; -0.6, 76.2)であった。予備的な局所的および全身的な反応原性イベントは、vaccine 群でより一般的であった。重篤な有害事象は両群において稀であった。
4. 結論:
NVX-CoV2373 vaccine は、Covid-19 の予防に有効であり、HIV 陰性の参加者の間でより高いvaccine 有効性が観察された(Novavax とBill & Melinda Gates Foundation から資金提供を受け;Clinical Trials. gov; NCT04533399)。(完)
(主な出典:https://ir.novavax.com/news-releases/news-release-details/new-england-journal-medicine-publishes-phase-2b-clinical-trial他)