4 月30 日、Bristol Myers Squibb(BMS)は、本日、FDA が、CheckMate -274 試験結果に基づいて、切除後の高リスク筋層浸潤性尿路上皮癌患者の術後補助療法として、OPDIVO (nivolumab)のsBLA を受理したと発表した。FDA は、本申請を優先審査の対象に指定し、PDUFA に基づく審査のゴールを2021 年9 月3 日に設定した。承認された場合、OPDIVO は、米国の筋層浸潤性尿路上皮癌患者にとって初の術後補助免疫療法の選択肢となる。膀胱の内壁の細胞に最も多く発生する尿路上皮癌は、世界で10 番目に多い癌腫である。
1. BMS 泌尿生殖器癌領域担当部長兼開発プログラム責任者Dr. Dana Walker のコメント:
「筋層浸潤性尿路上皮癌は再発率が高く、安全で効果的な治療選択肢もないため、患者は切除後も不安を抱えている。CheckMate -274 試験で示された画期的な無病生存期間の結果により、我々は、OPDIVO に筋層浸潤性尿路上皮癌の治療法の未来を変える可能性があると確信している。米国のこれらの患者に初めての術後補助免疫療法の選択肢を提供できるようFDAと連携していく。」と述べている。
2. 承認申請の根拠:
この設定において免疫療法による初めての肯定的な第3 相試験であるピボタルなCheckMate -274 試験結果に基づいている。同試験において、OPDIVO は、placeboと比較して、患者の PD-L1 発現レベルにかかわらず、統計学的に有意に、かつ臨床的に意義のある無病生存期間(DFS)の延長を示した。OPDIVO の忍容性は全体的に良好であり、安全性プロファイルは、固形癌患者においてこれまでに報告されたOPDIVO の試験のプロファイルと一貫していた。CheckMate -274 試験の主要評価結果は、2021 年2 月に米国臨床腫瘍学会泌尿器癌シンポジウムで口頭発表された。CheckMate -274 試験は、筋層浸潤性尿路上皮癌(CheckMate -274)、悪性黒色腫(CheckMate -238)、食道/胃食道接合部癌(CheckMate -577)および非小細胞肺癌(CheckMate -816)の早期ステージの癌腫を対象に、OPDIVO による治療法が肯定的な結果を示した 4 本の第3 相試験のうちの1 本である。
3. CheckMate -274 試験:
本試験は、根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性尿路上皮癌患者を対象に、OPDIVO とplacebo を比較評価した多施設、無作為化、二重盲検、第3 相臨床試験である。患者709 例が、OPDIVO 240 mg を2 週間間隔で投与群またはplacebo 群に1:1 の割合で無作為に割り付けられ、最長1 年間投与を受けた。本試験の主要評価項目は、全無作為化患者(Intention-To-Treat 集団)および PD-L1 発現レベルが 1%以上の患者サブセットにおける DFS である。主な副次評価項目は、全生存期間(OS)、非尿路上皮無再発生存期間および疾患特異的生存期間である。
4. 試験結果:
全無作為化患者において、OPDIVO は、placebo と比較して、疾患が再発することなく患者が生存した平均期間を2 倍近く延長し、無病生存期間の中央値は、placebo 群の10.9 カ月に対し、OPDIVO 群は21.0 カ月で、再発リスクを30%低減した[HR=0.70、98.31% CI:0.54 - 0.89、p<0.001]。PD-L1 発現レベルが1%以上の患者において、OPDIVO は、placeboと比較して、再発または死亡のリスクを47%低減し、DFS の中央値はOPDIVO 群で未達、placebo 群では10.8 カ月であった(HR= 0.53、98.87% CI:0.34 - 0.84、p<0.001)。(完)
(主な出典:https://www.bms.com/assets/bms/japan/pressrelease/20210506.pdf 他)