5月26日、癌やその他の新しい効能を目指して、新規な細胞療法の創薬と開発に特化しているグローバル臨床段階のバイオ医薬品企業で、中国企業のLegend Biotech Corp.(Legend)は、開発中の抗B細胞成熟抗原(BCMA)CAR T細胞療法候補ciltacabtagene autoleucel (cilta-cel) について、共同開発パートナーのJanssen Biotech, Inc. (Janssen)が提出した BLA がFDAに受理され、優先審査に指定されたと発表した。処方薬ユーザーフィー(PDUFA)による審査の目標ゴールは、2021年11月29日に設定された。
1. cilta-cel:
本品は、再発または難治性多発性骨髄腫のより早期の治療法を目指した包括的な臨床開発プログラムで、開発中のキメラ抗原受容体 T 細胞(CAR-T)療法である。CAR Tのデザインは、構造面で他のCAR Tと差別化されており、2つのBCMA標的単一ドメイン抗体で構成されている。2017 年 12 月、にLegendはJanssenと、Cilta-celの開発と商業化に関するグローバルな独占契約を締結した。2019 年 12 月に米国FDAから受けたBreakthrough Therapy Designation (BTD)に加えて、cilta-cel は 2019 年 4 月にEMAから PRIority MEdicines (PRIME) 指定を受け、2020 年 8 月には中国で BTD を取得した。2019 年 2 月に米国 FDA によって、また 2020 年 2 月に欧州委員会によって 希少病薬指定が付与された。更にFDAに加えてEMAによっても販売承認申請が受理されている。
2. 販売承認申請の根拠:
cilta-cel のBLAまたはMAAの規制当局への提出は、再発性および/または難治性多発性骨髄腫患者を対象に、cilta-celの有効性と安全性を評価したピボタル第 1b/2相CARTITUDE-1試験結果に基づいている。長期フォローアップの更新データは、近く開催される米国臨床腫瘍学会 (ASCO) の年次総会(抄録 #8005) および欧州血液学会 (EHA) (抄録 #EP964)。(次報で報告)
3. 第1b/2相CARTITUDE-1試験(NCT03548207):
CARTITUDE-1 試験は、再発性および/または難治性の多発性骨髄腫の成人で、少なくとも 3 回の前治療歴があるか、またはプロテアソーム阻害剤 (PI) および免疫調節薬 (IMiD) の2剤に難治性の多発性骨髄腫の成人患者、および最新の治療としてPI、IMiD、および抗 CD38 抗体を投与され、治療を開始してから 12 カ月以内に病勢が進行したと診断された患者を対象に、cilta-celの安全性と有効性を評価する第1b/2相、非盲検、多施設共同試験である。試験の第1b相の部分は、安全性を評価し、cilta-celの第2相試験の推奨用量を確認することであった。LCAR-B38M CAR-T 細胞 (LEGEND-2) を用いた初めてのヒト試験の第2相試験の部分では、cilta-celの有効性をさらに評価し、全体的な寛解率(ORR)を主要評価項目とした。試験結果は、ASCOの発表を次報で報告する。