2021/06/12

イエスカルタの再発性/難治性濾胞性リンパ腫の長期データ、標準療法の生存率を大幅改善

ギリアド・サイエンシズ傘下のKite Pharma の、再発または難治性低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)の濾胞性リンパ腫(FL)患者の治療法として承認された最初で唯一のCAR T細胞療法イエスカルタ(一般名:アキシカブタゲン シロルユーセル)のピボタル第2 相ZUMA-5試験追跡調査結果が第26 回欧州血液学会年次総会(EHA 2021)で発表された(Abstract#LB1904)。
最小追跡調査期間18 カ月において、患者の94%が奏効(ORR)を達成し、副次的評価項目の無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の中央値は未到達であった。ZUMA-5 試験と外部対照コホートSCHOLAR-5 の患者データを比較した加重分析で、イエスカルタは現在の標準療法よりも優れたOS およびPFS を示した。

(参考)
CAR-T細胞療法として世界で初めて承認されたカイムリアは急性リンパ性白血病(ALL)を初回適応症とし、翌年に播種性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の効能が追加された。ギリアドが後に買収したカイトが開発したイエスカルタも2017年に承認されたが適応症はDLBCLだけであった。適応症に白血病(ALL)はないものの、イエスカルタの売上高はカイムリアを上回り、2020年は5.6億ドルとなった。本年(2021年)3月には濾胞性リンパ腫(FL)の効能追加が承認された。