2021/05/31

海外薬事(主としてFDA)関連ニュース:2021年5月

がん関連の記事が5月も最多であった。非小細胞肺がんではいずれも初の分子標的薬となるアKRAS G12C変異に対する LUMAKRAS(一般名:ソトラシブ、アムジェン)とEGFRエクソン20挿入変異に対するMET阻害薬RYBREVANT(アミバンタマブ-vmjw、ヤンセン)がFDAによる初回承認を取得した。PD-1阻害薬の効能追加ではオプジーボの食道・胃食道接合部がん患者に対する術後補助療法、キートルーダのHER2陽性の胃・胃食道接合部がんに対する一次療法(トラスツズマブおよび化学療法剤との併用)が承認された。メルクはさらに、エーザイのマルチ受容体チロシンキナーゼ阻害薬レンビマとキートルーダの併用による進行性腎細胞がんおよび進行性子宮内膜がん治療を申請した。

その他の治療分野では子宮筋腫にともなう重度月経出血に対してマイオバント・サイエンスとファイザーが共同開発したGnRH阻害薬MYFEMBREE(マイフェンブンリー、一般名レルゴリクス)が初回承認された。多発性硬化症に承認されていたS1P受容体作動薬Zeposia(一般名:オザニモド、BMS)は潰瘍性大腸炎の効能追加が承認された。

申請段階では、中等度および重症の尋常性乾癬に承認されていたOtezla(一般名:アプレミラスト)による軽度・中等度患者への適応症拡大に関するアムジェンの申請をFDAが受理した。アムジェンはまた、難治性喘息の治療薬としてアストラゼネカと共同開発中の抗TSLP抗体テゼペルマブの承認申請(BLA)を提出した。バイエルの関連会社が開発中の肢帯型筋ジストロフィー2I/R9 (LGMD2I/R9)に対する新規のアデノ随伴ウィルスベクター(AAV)遺伝治療LION-101に関する治験届(IND)が受理された。