6 月24 日、Incyte Corp.(Incyte)が、白金製剤ベースの化学療法中に進行した、または不耐性の、局所進行性または転移性肛門管扁平上皮癌(SCAC)の成人患者に対する治療法として申請したPD-1 阻害剤retifanlimab のBLA について、FDAは腫瘍薬諮問委員会(ODAC)の審議結果を発表した。申請データでは有効性不十分との結論であった。IncyteとMacroGenics は2017 年にライセンス契約を締結した。
1. ODAC の審議結果
進行性または転移性SCAC の治療法としてretifanlimab に関する許認可の決定は、白金製剤の治療歴の無い進行性SCAC 患者を対象に進行中の確認試験である臨床試験POD1UM-303 から、さらなるデータが利用可能になるまで延期されるべきとの意見が、採決の結果、13:4 と多数を占めたと発表した。
2. retifanlimab のBLA
2020 年11 月25 日、加速承認を要求して当該BLA が提出され、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)審査のゴールは2021 年7 月25 日に設定された。申請根拠とした臨床試験データは前治療歴の有る、白金製剤ベースの化学療法中に病勢が進行した、または当該化学療法に不耐性の局所進行性または転移性SCAC の以前に治療を受けた94人の患者を対象にretifanlimab を評価した第2 相POD1UM-202 試験である。FDA は肛門癌の治療法としてretifanlimab を希少病薬と優先審査に指定している。
3. POD1UM-202 試験(NCT03597295)
局所進行性または転移性扁平上皮肛門管癌(SCAC)で白金製剤を含む化学療法中に進行した、あるいは化学療法に不耐の94 人の患者を対象にretifanlimab を評価する非盲検、単一群、多施設、第2 相試験である。retifanlimab 500 mg は、4 週間ごとに最大2 年間静脈内注入により投与される。主要評価項目は、RECIST v1.1 を使用して独立中央審査によって判定された奏効率(ORR)であった。副次評価項目には、奏効期間(DoR)、病勢制御率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、および安全性と薬物動態が含まれている。
4. 有効性と安全性
FDA ODAC Briefing による、RECIST 1.1 による独立審査委員会(IRC)による奏効率(ORR)は、PODIUM-202 試験で13 人(14%)(95%CI;8,22)の患者に観察され、奏効期間(DoR)の推定中央値は9.5 カ月[95%CI;4.4, NE(Not estimate)]。既知のミスマッチ修復能を有する67 人の患者中8 人の奏効例[12%(95%CI;5, 22)] が認められた。DoR はカットオフデートの2020年10 月1 日現在の更新データを右表に示した。登録患者94 人は全員、データカットオフの2020 年6 月8 日現在、少なくとも1 回のretifanlimab の投与を受けた。(完)
主な出典:https://investor.incyte.com/press-releases/pressreleases/2021/Incyte-Announces-Outcome-of-FDA-Oncologic-Drugs-Advisory-Committee-ODAC-Meeting-Reviewing-Retifanlimab-as-a-Treatment-for-Patients-with-Squamous-Cell-Carcinoma-of-the-Anal-Canal-SCAC/default.aspx