8 月24 日、米国Durham, N.C 及び中国北京に拠点を置き、アンメットメディカルニーズが高く、公衆衛生上の負担の大きい疾病に対する革新的な治療法を開発している多国籍企業Brii Biosciences Ltd.(Brii)は、SARS-CoV- 2 に対する2 種のモノクロール中和抗体BRII-196 /BRII-198 併用療法 を評価する臨床プログラム第2/3 相ACTIV-2 試験の中間解析のポジティブな結果が得られたと発表した。
1. 第2/3 相ACTIV-2 試験中間解析結果
主要評価項目である入院と死亡の複合評価項目に関して、placebo と比較して、発症後10 日以内で臨床進行のリスクの高い837 人のCOVID-19 非入院患者に対して、相対リスクを統計的に有意な78%減少[95%CI:0.22 (0.05, 0.86), p<0.00001(名目,片側)]させた。837 人の被験者の部分的な追跡調査に基づくACTIV-2 試験の中間解析で、入院(併用療法群12 人 vs. Placebo 群45 人)と死亡(併用療法群1 人vs. Placebo 群9 人)の両評価項目の減少が観察された。追加のサブグループ解析で、症状発症後のBRII-196/ BRII-198 による早期(≤5 日)と後期(6-10 日)の治療開始時期についての臨床上のベネフィットをさらに詳しく検討し、実臨床での治療法の決定に情報を提供する独自の洞察も示した。
2. ACTIV-2 試験(NCT04518410)
米国国立衛生研究所(NIH)傘下の研究所の1 つ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)がスポンサーとなり、NIAID が資金提供するAIDS 臨床試験グループ(ACTG)が試験を主導している。 ACTIV-2 試験は、NIH のAccelerating COVID-19Therapeutic Interventions and Vaccines (ACTIV)イニシアチブの一部でもある。これは、最も有望な治療法やvaccine 開発に優先順位を付けてスピードアップするように調整された研究戦略を進める官民パートナーシップのプログラムである。
3. ACTIV-2 Master Protocol
無作為化、盲検化、対照比較をベースに、COVID-19 による症候性の入院していない成人の治験薬としての安全性と有効性を評価するプログラムである。より重篤な感染症への進行のリスクが高いと特定された被験者は、BRII 196 / BRII-198 併用群またはplacebo 群の何れかに登録された。試験の第3 相は、BRII-196 / BRII-198 の併用により、試験の複合評価項目である28 日目までの入院または死亡を防止するか否かを判定するためにデザインされた。第3 相試験は、BRII-196 / BRII-198 の併用試験で定義された安全性と有効性の基準を満たした第2 相試験の継続であった。
4. BRII-196 およびBRII-198
回復したCOVID-19 感染患者に由来する、互いに競合しないSARS-CoV-2 モノクローナル中和抗体である。それらは、抗体依存性感染増強のリスクを低減し、血漿半減期を延長して潜在的により持久性のある治療効果をもたらすように特別に設計されている。それらの重複しないエピトープ結合領域は、SARS-CoV-2 に対して高度の中和活性を有することが示されている。
5. 臨床開発の現状
BRII-196 / BRII-198 併用療法は、第1 相試験では一般的に安全で忍容性が高く、その後の試験における評価を裏付けている。 Brii は、NIAID との共同試験に加えて、中国で別の追加の試験を実施しており、BRII-196 / BRII-198 併用の薬物動態と安全性、およびBRII-196 / BRII-198 併用療法のCOVID-19 の治療のための第2 相の有効性試験で評価している。(完)
(主な出典:https://www.briibio.com/news-detial.php?id=328#news 他)