2021/08/10

FDA、COVID-19 感染陽性者の進行予防法としてREGEN-COV 抗体療法のEUA 改定認可

8 月10 日、FDA は、REGEN-COV(casirivimab & imdevimab,同時投与)の緊急使用許可(EUA)を改訂し、入院や死亡を含む重度のCOVID-19 に進行するリスクの高い成人および小児(12歳以上、体重40 kg 以上)におけるCOVID-19 の感染後の進行防止用としての緊急使用を承認したと発表した。

1. REGEN-COV のEUA 効能拡大

1) 従来の効能;SARS-CoV-2 virus の曝露前に、予防用としては承認されていない。REGEN-COV は、直接SARS-CoV-2 virus 検査結果陽性で、入院や死亡を含む重症のCOVID-19 に進行するリスクの高い、成人および小児(12 歳以上、体重40 kg 以上)の軽症から中等症のCOVID-19 の治療にも引き続き認可されている。REGENCOVによる予防は、COVID-19 に対するvaccine 接種の代わりにはならない

2) 追加効能;REGEN-COV は、入院または死亡を含む重症COVID-19 への進行のリスクが高い、完全なvaccine 接種がなされていない、または完全なSARS-CoV-2 vacine 接種に対して適切な免疫応答が期待し難い(例えば、免疫抑制剤使用者を含む免疫不全状態の人)成人および小児(12 歳以上、体重40 kg 以上)の曝露後予防として、および疾病管理予防センター(CDC)の濃厚接触基準に一致するSARS-CoV 感染者に接触した、または同じ施設(例えば、養護施設や刑務所)で、他の個人のSARS-CoV-2 感染が発生したためにSARS-CoV-2 の感染のリスクの高い人にのみ使用可能である。完全なvaccine 接種とは、一般に、2 回接種シリーズ(Pfizer vaccine またはModerna vaccine)の2 回目の接種から2 週間後、または1 回接種 vaccine(Janssen vaccine)の2 週間後に完全vaccine 接種を受けたと見なされる。 CDC の濃厚接触者の基準は、感染者(臨床検査室で確認された、または臨床的に適合性のある感染症状が確認された)から、6 feet 以内に24 時間にわたって合計15 分以上いた人と定義している。COVID-19 の曝露後予防のためのEUA の再発行の根拠は、第3 相試験の主要データである。

2. EUA 効能拡大の根拠

1) 有効性;本試験は、SARS-CoV-2 感染者の家庭内接触におけるCOVID-19の予防のためのREGEN-COVの単回投与を評価する無作為化、二重盲検、placebo対照臨床試験であった。症例は、COVID-19 を検出、追跡、および評価するための最も正確な検査方法の1 つである、RT-PCR を使用して確認された。ベースラインで、RT-PCR 陰性および血清(抗体)陰性症例では、29 日後のplacebo 群と比較して、REGEN-COV 群で、確認された症候性COVID-19 症例が81%減少した。試験集団全体では、29 日目のplacebo 群と比較して、REGEN-COV 群でRT-PCR により確認された症候性COVID-19 症例は62%減少した。

2) 安全性;最も一般的な副作用は注射部位反応であった。REGEN-COV 群の被験者の少なくとも1%に発生した注射部位反応の兆候と症状は、皮膚の発赤(紅斑)、そう痒症を引き起こす不快で刺激的な感覚、および斑状出血であった。重度の過敏反応は報告されていない。

3. 用法用量

治療と曝露後の予防の両方に対するREGEN-COV の承認用量は、casirivimab 600 mg とimdevimab 600 mg の同時投与である。治療には、静脈内インフュージョンを強く推奨する。皮下注は、静脈内注入の実施が不可能で、治療の遅延につながる可能性がある場合の代替投与経路として許可されている。曝露後予防には、静脈内注入または皮下注のいずれかが適切である。(完)

(主な出典:https://www.fda.gov/drugs/drug-safety-and-availability/fda-authorizes-regen-cov-monoclonal-antibody-therapy-post-exposure-prophylaxis-prevention-covid-19他)