11 月24 日、antisense 薬開発企業Ionis Pharmaceuticals, Inc.(Ionis)は、導出先のPfizer が、antisense 薬vupanorsen(旧IONIS-ANGPTL3-LRx)の第2b 相試験に関するトップラインの結果を入手したと発表した。
1 vupanorsen
Ionis によって創製され、CV リスクの低減と重度の高triglyceride 血症(SHTG)の潜在的な適応症のためPfizer によって開発されているantisense 療法で、肝臓でのTG とコレステロール代謝の重要な調節因子であるANGPTL3 タンパク質の産生を抑制するように設計されている。このantisense 療法は、Ionis の高度なligand 結合antisense (LICA)技術を使用して開発された。ANGPTL3 低下の潜在的な治療上のベネフィットは、ANGPTL3 の遺伝的欠損を持つ人々では、LDL-C およびTG のレベルが低く、糖尿病およびCV 系疾患のリスクが低いという発見によって裏付けられている。
2019 年11 月、Pfizer はAkcea/Ionis から世界的な独占契約でvupanorsen のライセンスを取得した。契約の一時金2.50 億$は、Ionis の株式の過半数を所有するAkcea Therapeutics と折半された。
2. 第2b 相TARgeting ANGPTL3 試験
グローバル多施設、二重盲検、placebo 対照、用量設定試験で、成人の脂質異常症(TRANSLATE-TIMI 70)に対するantisense oligonucleotide vupanorsen を評価する試験で、脂質異常症の286 人の被験者を登録した。 登録基準は、非HDL-C(≥100mg/ dL)及びTG(150-500 mg / dL)が上昇し、安定した用量のstatin 療法を受けている40 歳以上の患者である。被験者は、皮下注射により、4 週毎に80 mg、120 mg、または160mg を投与するか、2 週毎に60 mg、80 mg、120 mg、または160 mg を投与された。本試験は、vupanorsen の有効性、安全性、忍容性、薬物動態を評価するために設計されたもので、主要評価項目は、24 週目の非HDL-C のベースラインからの変化率であった。
3. 有効性
心血管系(CV)リスクの低減と重度の高triglyceride 血症(SHTG)の適応症のために開発されている臨床開発中のantisense 療法である。非HDL コレステロール(C)およびtriglyceride(TG)が上昇した被験者を対象にした用量設定試験では、試験は主要評価項目を達成し、placebo と比較して、24 週間で試験した全ての用量で非HDL-C を統計的に有意に減少させた。さらに、vupanorsen で治療された被験者は、placebo と比較して、24 週間で全ての用量レベルでTG およびANGPTL3 を統計的に有意な減少を達成した。
4. 安全性
最も一般的な有害事象は注射部位反応であり、これはvupanorsen の最高用量群で最も頻繁に認められた。最も多い臨床検査値異常は、肝酵素alanine amino-transferase(ALT)およびaspartate amino-transferase(AST)の上昇であり、主に高用量で観察された。vupanorsen で治療された被験者にHy'sLaw の症例報告はなく、bilirubin に有意な変化は認められなかった。vupanorsen の特定の用量では、placebo と比較して、24 週目のMRI(磁気共鳴画像法)によるproton 密度脂肪分画から測定された肝脂肪分画に関して、ベースラインからの上昇と関連していた。血小板数の異常または推定糸球体濾過率の低下が確認された被験者はいなかった。治療関連の重篤な有害事象(SAE)は認められず、SAE 発現率は被験薬群とplacebo 群間で類似していた。(完)
主な出典:https://ir.ionispharma.com/news-releases/news-release-details/ionis-announces-pfizer-reports-topline-results-phase-2b-clinical 他)