2012/10/12

中外製薬の関節リウマチ(RA)治療薬アクテムラのファーストライン適応を米国FDAが承認 [10/12]

関節リウマチ治療薬アクテムラ は中外製薬が開発した世界で初めてのインターロイキン(IL)-6受容体抗体。また、初めての日本発の抗体医薬でもある。日本では2008年4月にRA適応症承認、09年1月には欧州でも承認された。しかし米国承認はさらに1年後の10年1月と遅れた上、「1 剤以上のTNF 阻害剤の効果が不十分な中等度から重症の成人」という3rdライン制限がついた。そのため米国売上は伸び悩み、昨年実績(130 億円)はヒュミラの20 分の1、国内(175 億円)よりも小さかった。先月、第3四半期(9カ月)決算でロシュが計上したアクテムラの世界売上は6億スイスフラン(500億円)、発売4年目もビリオンダラー(10億ドル)に届かない見通し。米国でのファーストライン適応追加は今年2月に申請し、順調に承認された。新しい適応症は「一剤以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)の効果が不十分な中等度から重度の活動性を有する成人の関節リウマチ」。アクテムラもいよいよヒュミラ、レミケードなどのTNF阻害剤と同じ土俵にあがって来年は10億ドル製品の仲間入り、中長期には60億ドルを超す可能性も十分となった。11年世界売上はヒュミラが79億ドル、エンブレルが73億ドル、レミケードは63億ドルだった。一方、J&JとGSKは共同して新たな抗IL-6抗体sirukumabのP3臨床試験を8月に開始した。アクテムラとの競合を恐れるよりも、巨大なTNF阻害剤市場に挑戦するIL-6阻害剤陣営に登場する初めての援軍として期待したい。