試験デザイン:日本人の2 型糖尿病患者243 人を対象とした無作為化二重盲検第3相非劣性試験。トレラグリプチン(SYR-472、100 mg週1回)を実薬対照のアログリプチン(製品名ネシーナ、25mg/日)およびプラセボと比較した。主要評価項目は24 週の時点におけるHbA1c のベースラインからの変化量。
試験結果:HbA1c の変化量の最小二乗平均の差(トレラグリプチン-アログリプチン)は0.11%(95%CI: -0.054, 0.281)で、トレラグリプチン群のアログリプチン群に対する非劣性が証明された。また、治療期間終了時においてトレラグリプチン群とアログリプチン群はプラセボ群と比較してHbA1c を有意に低下した(p<0.0001)。トレラグリプチンは全治療期間を通じて持続的なDPP-4 阻害作用を示した。トレラグリプチン週1回投与の忍容性は良好で、週1回投与のDPP-4阻害剤が2型糖尿病治療の新しい選択肢となる可能性が示された。
PAR コメント: 経口糖尿病治療薬として最大の58億ドル(5800億円、2013年)を売上げるDPP-4阻害剤ジャヌビアを擁する米国メルク(MSD)も週1回投与のMK-3102(オマリグリプチン)を開発中。P3臨床試験は武田薬品と同様に日本で完了し、好結果を収めたと発表した(9/18 ➔ FierceBiotech)。日本では年内に承認申請する予定だが、日本以外での計画は不明。経口糖尿病薬は2-3剤の併用が大半であり、メトフォルミンがベース薬剤となっている。日本以外ではP3段階に進んでいない背景には、併用薬では1日1回製剤が限界となっている現状があるようだ。