2014/09/11

GLP-1アナログ製剤リラグルチドを肥満症治療薬とする申請に対してFDA諮問委員会が承認を勧告

ノボ ノルディスクのヒトGLP-1アナログ製剤リラグルチド(一般名)はすでに2型糖尿病治療薬ビクトーザ(Victoza)として承認されており、日本でも販売されている。あらたな、肥満治療薬としての申請に対してFDAの内分泌・代謝薬諮問委員会(EMDAC)は141の賛成多数で承認を勧告した。製品名はSAXENDAとなる予定。

1日最大用量は、2型糖尿病では1.8mgだが肥満症では3mgへと増加する。両投与量を比較した臨床試験では副作用としての低血糖発生率に差は認められなかった。また、SAXENDAの総合的なベネフィット・リスク評価に関してEMDACは心血管系への影響などを考慮したうえで、問題なしと判断した。

SAXENDAの承認効能
「肥満度指数(BMI)が30以上」、あるいは「27以上で1つ以上の合併症を有する」人の長期的体重管理。

PAR コメント: エーザイが提携するArena社の抗肥満薬ロルカセリン(製品名BELVIQ)は2012年6月にFDA承認を取得した。FDAが抗肥満薬を承認するのはロシュの脂肪吸収阻害剤XENICAL以来13年ぶりだった。その直後の7月にはVivus社のQSYMIAも承認された。一方、武田薬品がOrexigen社と提携した
CONTRAVEは開発段階ではBELVIQとQSYMIAに先行していたが承認審査が難航していた。しかし最近になってFDAはCONTRAVEについても承認を決定した(9月10日)。肥満症を引き続きアンメット・メディカル・ニーズと位置付ける米国の状況がうかがわれる。米国ではBMI(Body Mass Index)が 30以上の人の割合が日本の約10倍であり、30%を超えている。