2014/09/26

ブリストル・マイヤーズのPD-1阻害剤オプジーボの非小細肺癌治療薬としての承認申請をEMAが受理

欧州医薬品庁(EMA)は、ブリストル・マイヤーズ(BMS)のオプジーボ(OPDIVO、一般名:ニボルマブ)の非小細肺癌(NSCLC)に対する販売承認申請(MAA)を受理した。肺癌に対するPD-1阻害剤の承認申請としては世界初となる。EMAの医薬品委員会(CHMP)は加速審査の対象に指定しており、通常210日の審査期間は150日へと2ヵ月短縮される。

BMSと小野薬品は、NSCLC、悪性黒色腫(メラノーマ)、腎細胞癌(RCC)、頭頸部癌、神経膠芽腫、非ホジキンリンパ腫などの悪性腫瘍患者7,000人以上を対象とする35本の臨床試験プログラムをグローバルに展開している。NSCLC、メラノーマ、RCCに関しては2013年4月にFDAのファストトラック指定を受け、今年(2014年)4月に肺扁平上皮癌を皮切りにローリング申請を開始した。5月には「自家幹細胞移植およびアドセトリス(武田薬品)による治療が不応となった」ホジキンリンパ腫を対象としてBT指定を受けている(➜ par news)。9月には「治療歴を有する進行期悪性メラノーマ」を適応症とする承認申請が優先審査対象として受理され、PDUFA に基づく審査期限は2015 年3 月30 日に設定された。


PAR コメント: PD-1阻害剤はT細胞の細胞死に関与するPD(Programmed Death)-1受容体を遮断して、がん細胞に対する免疫攻撃を回復する。開発段階で現在もっとも注目される免疫療法による抗がん剤である。 米国でのfirst-in-classとしての承認はメルクのKEYTRUDAが悪性黒色腫を適応症として取得した(9月4日)。これに対して、本来のオリジネーターでありながら先行を許してしまった小野薬品/BMSグループはメルクによる特許権侵害を提訴している(➔ par news)。