アムジェンが2013年8月に子会社としたオニキスのプロテアソーム阻害薬kyprolis®(カイプロリス®、ews一般名:カルフィルゾミブ)が第3相試験(ENDEAVOR試験)の中間解析において、主要評価項目(無増悪生存期間:PFS)を達成した。ENDEAVOR試験は、多発性骨髄腫患者を対象として、カイプロリス®とベルケイド®(一般名:ボルテゾミブ)を直接比較した最初の試験で、929例を対象としている。低用量デキサメタゾンとカイプロリス®あるいはベルケイド®の併用を検討したところ、主要評価項目であるPFS中央値は、カイプロリス®群で18.7ヵ月、ベルケイド®群で9.4ヵ月であった(HR=0.53、95%CI;0.44-0.65)。副次評価項目の奏効率でもカイプロリス®群が有意に高かった。生存期間中央値は現在未到達で、試験は継続中である。
カイプロリス®は米国において2012 年 7 月20 日に、「 ボルテゾミブ および免疫調節薬(IMiD)を含む 2 回以上の前治療歴があり直近の治療期間中または治療後 60 日以内に疾患が進行した多発性骨髄腫患者の治療薬」としてFDAから迅速承認されている(➜per news)。また、わが国では、小野薬品がオニキス社とライセンス契約を締結し、カイプロリス®の多発性骨髄腫を対象とした臨床試験を実施している。
[参考]
武田薬品の主力製品のなかで最も成長を期待されているベルケイドの売上高は2014年3月期に30%増加して950億円となった。しかし、欧州を中心に米国外でベルケイドを販売するジョンソン&ジョンソンが2014年12月期に計上した売上高は16億ドル(1900億円)で横ばいだった。カイプロリスのENDEAVOR試験の成功により、ベルケイドの成長に限界が見えてきた。一方、武田薬品の米国子会社ミレニアムはベルケイドの後継品として、経口投与が可能なプロテアソーム阻害薬イクサゾミブ(ixazomib:MLN9708)を開発中。➔par library「武田薬品」