2015/02/28

グローバル製薬企業、大手12社の2014年決算ランキング

120日発表のジョンソン&ジョンソン(J&J)を皮切りにバイエル(226日)で出そろったグローバル製薬企業大手12社の2014年決算を集計した。ファイザーの医療用医薬品事業(462億ドル)は前年比4%減少となったが首位にとどまった。主力品の神経因性疼痛治療薬リリカ(52億ドル、6200億円)とワクチン製剤プレブナー(49億ドル)がともに12%増、合計で11億ドルの増収をもたらした。一方で、アムジェンとのリウマチ治療薬エンブレル、ベーリンガー・インゲルハイムとのCOPD治療薬スピリーバなどの「提携収入」が64%(17億ドル)減少した。2014年は、業界最大のディテール部隊を擁してシェア・オブ・ボイス(SOV)による販売促進で市場を席巻してきた「ファイザー・モデル」終焉の年として記憶されるのかもしれない。


 2位ノバルティスの医療用医薬品414億ドル(ほぼ5兆円)は横ばいだった。ノバルティスは従来からUSドルでの決算だが3位のロシュは自国通貨で決算している。スイスフラン建ての実績はわずかながら1%の増収だったが上記グラフではドル換算のため、8%の減少となっている。医療用医薬品売上高の伸び率を示した下記グラフではドル換算をせず、各社決算発表の実績数値を用いた。


J&J+14.9%)、バイエル(+7.7%)、アッヴィー(+6.2%)が突出した。J&Jは、最大製品のレミケード(68億ドル)はほぼ横ばい(+3%)だったが、C型肝炎治療薬オリシオ/ソバリアードが実質初年度から23億ドル(2700億円)を売上げて大幅増収をもたらした。バイエルは抗凝固薬イグザレルトが77%増加して17億ユーロ(2100億円)となった。イグザレルトはJ&Jが米国で販売しており、2014年は76%増15億ドル(1800億円)を計上している。アッヴィーの最大製品はグローバル医薬品市場の最大製品でもあるリウマチ治療薬ヒュミラである。2014年は17%増加して124億ドル(14800億円)となった。