抗TNF-α抗体治療薬の効果が不十分だった患者546例を、1)サリルマブ200mgを2週間に1回皮下注射(200mg SC-Q2W)、2)サリルマブ150mg SC-Q2W、3)プラセボ投与の3群に分けてDMARDとの併用効果を見た。主要評価指標とした「治療開始後24週時点の症状改善(ACR20)」、「治療開始後12週時点の運動機能改善(HAQ-DI)」で統計的有意差が確認された。ACR20達成率はプラセボ群34%に対して、サリルマブ投与患者では200mg群で61%、150mg群で56%となり、p値は0.001を下回った。
(参考) サリルマブ(sarilumab)はIL-6受容体(IL-6R)を標的とする完全ヒト型抗体でリジェネロンのVelocimmune技術を用いて開発された。抗IL-6R抗体として世界で初めて開発に成功した中外製薬のアクテムラはサリルマブのRA-TARGET試験と同様に「TNF-α製剤の効果が不十分な症例」を対象としたRADIATE試験において、高用量(8mg/kg)投与群のACR20が50%だった。サリルマブはアクテムラよりも低用量で優れた成績をあげている印象だ。他にも、J&JはIL-6R(受容体)ではなく、リガンドのIL-6そのものを標的とする抗IL-6抗体シルクマブ(sirukumab)を開発中。
アクテムラの2014年世界売上げは12億スイスフラン(ロシュ連結ベース、前年比18%増、およそ1600億円)だった。抗TNF-α抗体医薬も、最大製品のヒュミラが2014年に18%増加して125億ドル(1兆5000億円)に達するなど成長を持続している。