2015/05/14

ロシュの抗PD-L1抗体がNSCLC患者の生存期間を2倍に延長

ロシュが開発中の抗PD-L1抗体であるMPDL3280Aの無作為化第2相試験(POPLAR試験)の中間解析が発表された。POPLAR試験は既治療の非小細胞肺癌(NSCLC)を対象とした試験で、中間解析では、PD-L1を高度に発現している患者ではMPDL3280群はドセタキセル群と比較して全生存期間(OS)を約2倍に延長した。この解析結果は本年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で報告される予定である。

MPDL3280Aは腫瘍細胞と腫瘍浸潤性免疫細胞に発現しているPD-L1を標的とするモノクローナル抗体で2015年2月にFDAからNSCLCに対するBreakthrough Therapy指定を受けている。指定対象は、PD-L1陽性のNSCLCで、プラチナ製剤を含む化学療法、EGFR変異陽性またはALK陽性の場合は適切な分子標的薬による治療を施行中、または施行後に進行した患者である。

POPLAR試験はグローバル無作為化第2相試験で治療歴のある進行性NSCLC 287例が登録されている。主要評価項目はOS、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)および安全性である。PD-L1の発現が中等度から高度の症例でのOS中央値は、MPDL3280A群13ヵ月、ドセタキセル群7.4ヵ月、ハザード比0.56(95%CI:0.33-0.95)であった。

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