シタグリプチンとプラセボを比較したTECOS試験では2008年12月~2012年7月までに38ヵ国において、合計14,735例の患者をシダグリプチン群(7,332例)とプラセボ群(7,339例)に無作為に割り付け、心血管系の主要複合評価項目(最初のイベント発生までの期間)副次複合評価項目(心血管系疾患死、非致死性心筋梗塞または脳卒中のいずれかが最初に確認されるまでの期間)について評価した。その結果、シタグリプチン群のプラセボ群に対する非劣性が示された(HR:0.99、95%CI:0.89~1.11、非劣性検定p<0.001)。この試験において、心不全による入院、総死亡率、急性膵炎の発生率、膵癌の発生率、心血管系死、心血管系以外の死亡のいずれにおいても両群間に差はみられなかった。
また、アログリプチンの心血管系への影響を評価したグローバルEXAMINE試験では心血管系イベントによる死亡、非致死性心筋梗塞または脳卒中、または入院を要する心不全のリスクがアログリプチン群とプラセボ群で同等であることが示された。