2016/10/25

第一三共、乳癌術前化学療法第2 相I-SPY2 試験にHER3 阻害剤patritumab が新たに参画

第一三共とQuantum Leap Healthcare Collaborative(QLHC)は、現在進行中のISPY2試験(NCT01042379)に、第一三共が開発中の抗HER3 モノクローナル抗体patritumab の新たな治療アームを追加すると発表した。
QLHC がスポンサーのI-SPY 2 試験は、現在進行中の第2 相、無作為化、対照比較、多施設の試験である。局所進行乳癌(ステージII/III))と新たに診断された女性のうち特定のサブグループの患者を迅速にスクリーニングし、有望な治療法を早期に見出すことを目指した、革新的なアダプティブデザインからなる臨床試験である。標準療法の抗HER2 モノクローナル抗体トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)とパクリタキセルの併用療法にpatritumab を上乗せした投与群と標準療法群を新たな治療アームで比較する試験である。HER2 陽性乳癌患者を無作為化し、治療アームの1 つに割り付け、乳癌の切除手術を受ける前に12 週にわたり治療を受ける。
patritumabは、HER3 を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体である。HER3は、複数のタイプの癌種で異常に活性化されているユニークなHER ファミリーのメンバーである。癌細胞の増殖を促進するために、HER3 受容体は二量化し、EGFR またはHER2 のような別のHER ファミリー受容体に結合する。前臨床のエビデンスは、HER3 阻害剤と他のHER ファミリー受容体阻害剤との併用は、ある種の癌の治療における有望な治療法になる可能性があることを示している。I-SPY2 試験への参加に加えて、前治療歴の有る再発または転移性頭頸部癌に対してpatritumab を評価する第2 相試験が患者登録を進めている。

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