2016/11/12

PD-1阻害剤オプジーボ のurelumab併用(第1/2相)試験で悪性黒色腫への抗癌作用増大を確認

 ブリストルマイヤーズ スクイブ(BMS)は、抗CD137抗体urelumabと抗PD-1抗体オプジーボ(一般名:ニボルマブ)の併用療法の第1/2相臨床試験における 安全性および有効性データを第31回癌免疫学会(SITC)年次総会において発表した。悪性黒色腫患者46 人に対して副次評価項目の奏効率(ORR)は50%(n=23/46、23 例中18例確定、5例未確定)であった。Urelumabは、主に活性化T細胞やNK細胞上に発現するTNF受容体ファミリーの1種であるCD137受容体に作用する完全ヒトモノクローナルIgG4k抗体である。
 併用療法の第1/2相マルチコホート試験は様々な血液がん、固形がんの患者を対象として、安全かつ忍容性のある用量の設定を目的として行われた。有効性は、①進行期/転移性悪性黒色腫(n=46)、②びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫(DLBCL、n=19)、③PD-1/PD-L1 阻害剤の治療中に進行した非小細胞肺癌(NSCLC、n=14)、④PD-1/PD-L1 阻害剤未治療NSCLC(n=20)、⑤頭頸部扁平上皮癌SCCHN(n=22)、および⑥その他の癌腫(n=3)のコホートに対して評価された。
 urelumab 3mg 4週間毎(Q4W)+ オプジーボ 3mg/kg 2週間毎(Q2W)の初期投与後、urelumab 8mg Q4W + オプジーボ 3mg/kg Q2Wで投与された。コホート拡大は安全性モニタリングの必要期間の終了後に開始され、特定の癌腫に対して、urelumab 8mg Q4W + オプジーボ240mg Q2W を投与した。主要評価項目は安全性、副次評価項目は最良総合効果、ORR、奏効期間、無増悪生存率などであった。
 悪性黒色腫での奏効率はPD-L1 発現レベルが1%以上の患者において50%(n=10/20)、PD-L1 発現レベルが1%未満の患者で47%(n=8/17)であった。その他のコホート(n=78)では、NSCLCとSCCHNに各1例で奏効が認められた。全患者集団(n=138)において、オプジーボ 単剤療法と比較して、urelumab との併用療法に顕著な毒性の増加は認められなかった。

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