欧州医薬品庁(EMA)は、中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者の治療薬としてOLUMIANT(一般名:baricitinib)の販売承認をECに勧告した。1剤あるいはそれ以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)に適正に反応しない、あるいは忍容性に問題の有る患者に使用される。OLUMIANTはEUで関節リウマチの治療に使用される最初のJAK阻害剤となる見通しである。単剤あるいはメトトレキサートとの併用で使用される。
承認勧告の根拠は、中等度から重度の活動性リウマチ患者3,100人を登録した4本の無作為化、対照比較試験の結果に基づいており、うち1本の試験はメトトレキサートとの比較試験、他の1 本はアダリムマブ(製品名:ヒュミラ)との比較試験、残る2本はとプラセボとの比較試験である。
最終的にOLUMIANTはメトトレキサートおよびアダリムマブにより治療した患者に比べて、中等度から重度の関節リウマチ患者の活動性をより効果的に抑制し、有効性は52 週の長期にわたり持続された。
(参考)
JAK阻害剤として欧州で先行するJAKAVI(ノバルティス)は骨髄線維症治療薬として2011年11月に米国、2012年4月に欧州で承認された。ファイザーのJAK阻害剤ゼルヤンツは抗リウマチ薬として2012年に米国承認されたが欧州では未承認、売上高は500億円前後にとどまっている。
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