評価結果は、全死亡、脳卒中関連の罹患率および死亡率、重要心イベント(致死性・非致死性心筋梗塞、突然の心臓死)、および副作用を含んでいた。本ガイドラインはエビデンスと推奨事項にGRADE(Grading of Recommendations, Assessment, Development, and Evaluation)によりその度合いに順位をつけた。推奨とGradeは以下の通り。
- 推奨1;死亡率、脳卒中および心イベントのリスクを低減させるため、SBPを150 mm Hg 以下を治療目標として、150 mmHg 以上のSBPを示す 60歳以上の成人の治療を開始するよう勧告する。(Grade; Strong)
- 推奨2;脳卒中の再発のリスクを軽減するために、脳卒中または一過性の虚血性心臓発作歴のある60歳以上の成人について、SBPの目標値140 mmHg以下を達成するために、薬剤療法の開始または強化を考慮するよう勧告する。(Grade: weak recommendation, moderate-quality evidence)
- 推奨3;患者個々の状況に応じて、脳卒中あるいは心臓イベントのリスクを低減するために、高い心血管系リスクを有する60歳以上の成人に対してSBP140 mmHg以下の目標達成のために、薬剤療法を開始または強化を考慮することを勧告する。(Grade: weak recommendation, low quality evidence)