FDAは成人慢性特発性便秘症(CIC:Chronic Idiopathic Constipation)患者の治療薬としてSynergy Pharms. Inc.のTRULANCE (一般名:plecanatide)を承認した。
TRULANCEは、 1日1回3 mg 錠1錠を経口投与する。plecanatide は、腸管の機能の維持に関与しているヒト消化器ホルモンuroguanylin の構造に類似したguanylate cyclase-C (GC-C)作動薬である。plecanatide とその活性代謝物が共にGC-C に結合して、腸管上皮の管腔表面に局所的に作用する。GC-C の活性化は、細胞内および細胞外のcyclic GMP濃度の上昇をもたらす。細胞内cGMP レベルが上昇すると、主に嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)イオンチャネルを通じて、腸管管腔内にchlorideとbicarbonate の分泌を促進する。その結果、腸管内の体液が増加し内容物が流動化して移動を早める。動物モデルで、plecanatide は消化管内への体液の分泌を高め、腸管内容物の移動を早め便の硬さを変えることが示されている。
承認申請の根拠は、1,775人の成人被験者を登録した2本の12週にわたるプラセボ対照比較試験である。被験者は無作為に2:1になるようにTRULANCE群あるいはプラセボ群に割付けられた。被験者は少なくとも試験開始6ヵ月前から慢性の便秘症と診断された患者で、便秘に伴う諸症状と共に、直前の3ヵ月間の排便の回数は週3回以下の状態であることが登録条件であった。TRULANCE群の被験者は、プラセボ群に比べて完全に自然の腸管の動きと共に排便回数が改善され、その状態の持続性が示された。