2017/02/09

デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬としてコルチコステロイドEMFLAZA をFDAが承認

 進行性の筋肉の壊死や脆弱化を惹起する稀な遺伝子変異による疾患であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の5 歳以上の患者の治療薬として承認された。FDAは本剤に対してファストトラック/優先審査、および希少病薬指定を賦与していた。また、「小児の希少病治療薬の開発」に該当するため、開発したマラソン製薬(Marathon Pharmaceuticals, LLC)に「優先審査バウチャー」が発行された。
 EMFLAZA(一般名:deflazacort)は、コルチコステロイドのプロドラッグで、活性代謝物21-desDFZ はグルココルチコイド受容体に作用して抗炎症作用、免疫抑制作用を示す。FDA がDMD 治療薬としてコルチコステロイド化合物を承認するのは初めてであり、新規化合物(NME)として扱われた。しかし、DMD 患者に対する有効性の機序は不明である。年間薬価は89,000ドルと予想されている。
 承認申請の根拠となったのは、米国とカナダで実施された無作為化、二重盲検、プラセボ 対照試験Study 1の結果である。dystrophin 遺伝子変異の診断書のある、5 歳以下で筋力低下が認められ、血清クレアチニンキナーゼ活性が正常域の上限(ULN)の少なくとも10 倍を示す5 歳から15 歳の男児196人が登録された。有効性はベースラインと12 週時点における18 の筋肉グループの平均の筋力の変化で評価した(個々の筋力はMedical Research Council(MRC)11-point スケールで評価)。