2017/02/06

既製/他家CAR T 細胞療法によるAML治療のIND申請

 遺伝子編集によるCAR T細胞(UCART)を使用した癌免疫療法を開発するフランスのバイオ企業Cellectis が独自のTALEN®遺伝子編集技術により創製した。その開発品中で最も先行しているUCART123 による、急性骨髄性白血病(AML)及び芽球性形質細胞様樹状細胞性腫瘍(BPDCN)患者を対象にした第1 相試験のIND がFDA から承認された。同種異系のレディーメードのCAR T細胞療法の臨床試験の実施をFDA が承認するのは初めてとなる。NIH の諮問委員会も臨床試験の開始を推奨している。
 従来のCART 療法は患者から採取したT 細胞を遺伝子操作により処理して、同じ患者に戻す方式であるが、今回の同種異系の細胞療法は、複数の健常人の血球をプールして一つの出発材料から作成し、複数の患者に投与できる。Cellectis の製造法は下記のように100 人分を一度に製造し、既製製品(off-the-shelf)として使用迄貯蔵ができ、直ぐにグローバル供給が可能である。現在の製造コストを1 回投与分4,000ドル以下と試算し、他社の想定薬価の50 分の1 に削減可能。
 UCART123 は、AML およびBPDCN の腫瘍細胞の表層に発現しているCD123 抗原を標的とする遺伝子編集CAR T 細胞療法候補である。AML の臨床試験はニューヨークのWeill Cornell 医科大学が、BPDCN の臨床試験はテキサス州ヒューストンのMD Anderson 癌センターがそれぞれ主導する予定である。

LINK   Immuno-oncology   CAR T 細胞療法   Acute Myeloid Leukemia (AML)