2017/05/22

血管炎の一種である巨細胞性動脈炎にたいするアクテムラの効能追加をFDAが承認

 中外製薬(ロシュ/ジェネンテック・グループ)のアクテムラ(一般名:トシリズマブ)皮下注製剤について、FDAは成人の巨細胞性動脈炎(GCA, giant cell arteritis)の治療薬として追加承認した。この効能拡大の申請はBreakthrough Therapy の指定を受け、優先審査で承認された。GCAは血管の質的・機能的な均一性を失わせ、血流を乱す疾病である。特に罹患しやすい血管は頭部、特に頭の両側にある側頭動脈である。そのため、側頭動脈炎とも呼ばれることもある。これまでは、高用量コルチコステロイドを投与し、時間経過とともに減量する治療が行われてきた。
 GCA に対するACTEMRA の安全性・有効性は、多施設、国際共同、二重盲検、placebo 対照の第3 相GiACTA試験で評価された。この試験には14 ヵ国、76 施設が参加し、251 人の患者が登録された。「12 週から52 週の間の持続的な寛解達成率」が主要評価項目とされ、「寛解」はGCA の症状の消失、炎症マーカーの検査値の正常化、そしてプレドニゾン使用量の減少で評価された。持続的寛解率(52 週解析時)は、アクテムラ 週1 回投与群;56%、同2 週1 回投与群;53.1%、ステロイド 単独投与群;14%であった。