2018/04/10

Karyopharm のselinexor を5 剤抵抗性難治性多発性骨髄腫にFDAがファストトラック指定(4/10)

FDAは、Karyopharm Therapeutics Inc.(Karyopharm)のリード化合物で、経口投与で有効な選択的核外輸送タンパク阻害剤(SINE) selinexor に関して、5 剤の治療歴のある多発性骨髄腫の治療薬としてファストトラック(FT)に指定した。
selinexor(KPT-330)は、first-in-class の経口の選択的核外輸送タンパク阻害剤(SINE)であり、核外輸送タンパクXPO1(またはCRM1)に結合して阻害することにより機能し、細胞の核内に腫瘍抑制タンパクを蓄積させる。これにより細胞の腫瘍抑制機能を再活性化および増強することで、正常細胞にはほとんど影響を与えずに、癌細胞に選択的にアポトーシスを誘導すると考えられる。現在、多発性骨髄腫を対象としたボルテゾミブと低用量デキサメタゾンとの併用による第3 相無作為化試験(BOSTON 試験)、低用量デキサメタゾン との併用による試験(STORM 試験)、および多発性骨髄腫の治療薬として承認されている薬剤との併用を検証する試験(STOMP 試験)、びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫を対象とした試験(SADAL 試験)、脂肪肉腫を対象とした試験(SEAL 試験)を含む、中期および後期段階の試験が実施されており、これまでに 2,300 人を超える患者がselinexor の投与を受けている。