タカラバイオ(タカラ)は、大塚製薬(大塚)とNY-ESO-1・siTCRTM 遺伝子治療薬(開発コード番号:TBI-1301、TBI-1301-A)及びCD19・CAR 遺伝子治療薬(開発コード番号:TBI-1501)の、日本国内における共同開発・独占販売に関する契約を締結した。
NY-ESO-1・siTCRTM 遺伝子治療は、 癌患者から採取したリンパ球(T 細胞)に癌細胞を特異的に認識するTCR 遺伝子を体外で導入し、培養によって増殖させた後に治療薬として患者に輸注する治療法である。TCR 遺伝子が導入されたリンパ球が、癌細胞を特異的に認識して攻撃し、消滅させる効果が期待される。現在、日本国内においては、滑膜肉腫を対象とした第1/2 相試験を実施中である。また本治療薬は2018 年3 月27 日に厚労省の『先駆け審査指定制度』の対象品目に指定されている。
CD19・CAR 遺伝子治療は、 急性リンパ芽球性白血病(ALL)を含む多くのB 細胞性リンパ腫およびB 細胞の表面に発現しているCD19 タンパク(抗原)を特異的に認識するCAR(キメラ抗原受容体)の遺伝子を、患者由来のリンパ球に導入し、再び輸注する治療法である。現在、日本国内においては、成人のALL に対する第1/2 相試験を実施中である。