2018/07/29

CDK 4/6 阻害剤KISQALIの効能追加「フルベストラント併用による一次治療」をFDAが3 週間で承認(7月18日)

FDA は、ノバルティスのCDK 4/6 阻害剤KISQALI(一般名:ribociclib)について、最初の内分泌療法としてHR+、HER2-の進行・転移性乳癌の治療にアロマターゼ阻害剤との併用療法を承認した。また、初回の内分泌系療法または内分泌療法中に病勢が進行した、HR+、HER2-の閉経後の進行性または転移性乳癌の治療として、フルベストラント とKISQALIの併用療法を承認した。KISQALIは、2017 年3 月に閉経後のHR +、HER2 -の進行転移性乳癌の治療法としてすでに承認されている。

本効能追加はBreakthrough Therapy の指定を受けていた。FDA は、抗癌剤の開発と審査をより効率化することを目指して今年初めに発表した2 つの新しいパイロットプログラムの“Real-Time Oncology Review”と“New Templated Assessment Aid”を初めて適用して承認した。審査期間は3 週間で、将にリアルタイムに行われた審査である。

承認申請の根拠となったMONALEESA-3 およびMONALEESA-7 の第3 相試験では、内分泌療法単独に比べてKISQALI と併用することにより、無増悪生存期間(PFS)の有意な延長が認められた。閉経前あるいは閉経周辺時期の女性を対象にしたMONALEESA-7 試験では、KISQALI+アロマターゼ 阻害剤とゴセレリンの併用群はアロマターゼ 阻害剤とゴセレリン併用群に比べて、PFS 中央値を約2 倍に延長させた(27.5 カ月 vs. 13.8 カ月; HR=0.569; 95% CI: 0.436-0.743)。MONALEESA-3 試験では、1 次療法および2 次療法の閉経後の全患者集団を対象にして、KISQALI+フルベストラント群とフルベストラント単独群のPFS 中央値は、それぞれ12.8カ月と20.5 カ月であり、併用群で延長が認められた (HR=0.593; 95% CI: 0.480-0.732) 。