2019/03/17

ロシュ/Genentech のテセントリク のPD-L1 陽性TNBC に対する効能追加をFDAが加速承認(3月8日)

 FDAが認可した診断法(CDx)によってPD-L1 陽性 [腫瘍面積の1%以上をカバーする任意の強度のPD-L1染色陽性の腫瘍浸潤免疫細胞(IC)]と判定された「切除不能、局所進行または転移性のトリプルネガティブ乳癌(TNBC)」に対する治療薬として、テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)のアブラキサン(パクリタキセル・アルブミン結合製剤)併用療法をFDAが加速承認した。PD-1阻害薬が乳がん効能を取得するのは初めてである。
 承認申請の根拠となったのは、切除不能な局所進行または転移性乳癌に対して全身療法による治療歴の無いTNBC 患者を対象に、テセントリク とアブラキサン併用療法とアブラキサン単剤療法を比較した第3 相IMpassion130 臨床試験 (NCT02425891)である。主要評価項目の一つ無増悪生存期間(PFS) 中央値は、テセントリク とアブラキサン併用群7.4 カ月(6.6, 9.2)、アブラキサン単剤群4.8 カ月(3.8,5.5)であり、PFS のハザード比(HR)は0.60(95%CI;0.48, 0.77; p<0.0001)であった。もう一つの主要評価項目である全生存期間(OS) は未達であった。また、副次評価項目の奏効率(ORR)は、テセントリク とアブラキサン併用群が53%、アブラキサン 単剤群が33%であった。