アストラゼネカ と癌領域におけるグローバルな戦略的パートナーMerck/MSD は、共同開発中のリムパーザ (一般名:オラパリブ)に関する第3 相POLO 試験結果をシカゴ で開催中の第55回米国臨床腫瘍学会(ASCO 2019)年次総会で詳細な結果を報告した。この結果はNEJM 誌にも掲載された。
プラセボ対照、無作為化、多施設、二重盲検、第3 相試験であるPOLO 試験において、生殖系細胞にBRCA 変異陽性の転移のある膵臓癌患者で、白金系抗癌剤による1 次維持療法で増悪しなかった154 人を、1 日2 回 オラパリブ 300 mg 投与群とプラセボ投与群に3:2 で無作為に割り付けた。主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は、全生存期間(OS)、2 度目の増悪までの時間、奏効率、疾患制御率、健康関連QOL などであった。
PFS において、リムパーザ治療患者で7.4 カ月、プラセボ 治療患者で3.8 カ月 [HR 0.53(95%CI、0.35-0.82)、p =0.004]、病勢進行のない期間の中央値は7.4 カ月の改善を示すなど、統計的に有意に、臨床的にも意味のある改善を示した。1 年時点(リムパーザ; 34% vs. プラセボ; 15%)、および2 年時点(リムパーザ; 22% vs. プラセボ; 10%)の両時点で、リムパーザ 治療群がプラセボ 群に比べて2 倍以上の患者が病勢進行を示さなかった。