2019/06/03

アレセンサ のJ-ALEX 試験、PFS の最終解析及びOS の第2 回中間解析結果ASCO で報告

ALK 融合遺伝子陽性の進行性非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象に1 次療法としてALECENSA(ALC)(alectinib)とcrizotinib(CRZ)を比較した国内第3 相臨床試験(J-ALEX 試験)の無増悪生存期間(PFS)の最終解析、及び全生存期間(OS)の第2 回中間解析結果を、第55 回米国臨床腫瘍学会(ASCO 2019)年次総会で、6 月2 日に報告した。本試験は、中外製薬が実施したアレセンサ(一般名:アレクチニブ、ALC)とクリゾチニブ(CRZ) の有効性および安全性を比較した第3 相、非盲検、無作為化、比較試験である。J-ALEX 試験には207 人のALK 阻害剤未投与で、化学療法未施行もしくは化学療法が1 レジメン施行されたALK 融合遺伝子陽性の進行・再発非小細胞肺癌患者が登録された。J-ALEX 試験の主要評価項目は、独立効果判定委員会の判定によるPFS、副次評価項目はOS、脳転移が認められた患者での脳転移病変増悪までの期間、及び安全性等であった。何れの群も治療関連死は発生しなかった。
CRZ 群に対しALC 群では、病勢進行または死亡リスクが63%低下した(層別HR=0.37、95%CI: 0.26~0.52)。ALC 群のPFS 中央値は34.1 カ月(95%CI: 22.1カ月~未到達)であり、CRZ 群は10.2 カ月(95%CI: 8.3~12.0 カ月)であった(主要評価項目)。OS は、第2 回中間解析ではALC 群のCRZ 群に対する優越性は結論づけられなかったため、引き続き生存調査が継続される(層別HR=0.80、95%CI: 0.35~1.82)(副次評価項目)。フォロー・アップ中央値のALC 群42.2 カ月、CRZ 群42.4 カ月経過後、ALC 群およびCRZ 群でそれぞれ54%および86%の病勢進行または死亡率の上昇となるイベントが発生した。最終PFS に関するHR は0.37(95%CI; 0.26〜0.52)であった:IRF-PFS の中央値はALC 群34.1 カ月(95%CI;22.1-推定なし)、CRZ 群10.2 カ月(95%CI 8.3-12.0)。CNS の進行または死亡までの期間のHR は、ベースライン時にCNS 転移の有無にかかわらず、それぞれ0.33(95%CI 0.11〜0.93)および0.20(95%CI 0.08〜0.49)であった。