ピボタル第3 相 ICARIA-MM 試験において、再発/難治性多発性骨髄腫(R/RMM)患者に対してポマリドミド+デキサメタゾン併用療法(pom-dex 群)に抗CD38 抗体イサツキシマブを上乗せ投与する(イサツキシマブ併用療法)治療法は、統計学的に有意に治療効果の改善を示しことが、ASCO2019で発表された。イサツキシマブはサノフィが現在開発中のモノクローナル抗体で、形質細胞のCD38 受容体にある特異的なエピトープを標的とする。
ICARIA-MM 試験は、R/RMM 患者を対象にイサツキシマブと pom-dex との併用療法群と pom-dex 群のみによる治療を比較した第3 相無作為化非盲検多施設共同臨床試験である。イサツキシマブ併用療法により、PFS に統計学的に有意な改善が認められ(HR 0.596, 95% CI 0.44- 0.81, p=0.001)、中央値は pom-dex 群(6.47 カ月, 95% CI: 4.468 - 8.279)に比べ、イサツキシマブ併用群(11.53 カ月, 95% CI: 8.936 - 13.897)で延長することが示された。また、イサツキシマブ併用療法群は、pom-dex 群に比べ、有意に高い奏効率を示した(60% vs. 35%, p<0.0001)。