FDA は、少なくとも4 回以上の前治療歴が有り、病勢としては2 剤以上のプロテアソーム阻害剤、2 剤以上の免疫調節剤および抗CD38 モノクローナル抗体の治療に抵抗性を示す再発または難治性多発性骨髄腫(RRMM)の患者の治療薬として、Karyopharm Therapeutics, Inc.(Karyopharm)申請の核外輸送蛋白質阻害剤XPOVIO(一般名:selinexor)錠について、コルチコステロイド のデキサメタゾンとの併用療法を迅速承認した。
申請の根拠となったのは、RRMM 患者を対象にした、多施設単一群非盲検第2b 相STROM 試験の結果である。STROM 試験のパート2 では、RRMM 患者122 人に毎週第1 日目と3 日目にXPOVIO 80 mg とdexamethasone 20 mg を併用投与された。患者83 人は、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、レナリドミド、ポマリドミドとダラツムマブに難治性を示した。主要評価項目は国際骨髄腫作業グループ(IMWG)によるMM の統一効果判定に基づいた独立評価委員会(IRC)の判定による奏効率(ORR)で、患者83 人のサブグループで25.3%であった。厳密な完全奏効1 人、完全奏効0、最良奏効4 人、部分奏効16 人が含まれている。奏効までの期間の中央値は4 週間、奏効持続期間の中央値は3.8 カ月であった。