Brilinta approved in the US to reduce the risk of stroke in patients with an acute ischaemic stroke or high-risk transient ischaemic attack
アストラゼネカの抗血小板薬ブリリンタは急性虚血性脳梗塞または高リスクの一過性脳虚血発作(TIA)の患者に対する脳卒中リスクの軽減を追加適応症としてFDA承認を取得した。承認の根拠となったTHALES試験において、アスピリンを毎日服用している患者にブリリンタ(90mg一日二回投与)を追加投与したところ、30日後の脳卒中と死亡をアスピリン単独投与と比較して17%軽減した(絶対リスク軽減率 1.1%、ハザード比 0.83、95%信頼区間 0.71-0.96、p=0.015)。
(参考)
ブリリンタは2010年に欧州、2011年に米国で承認され、急性冠症候群(ACS)患者を対象に主にステント留置術後の再狭窄予防に用いられてきた。急性脳梗塞予防の適応症はACS患者を対象として承認されていたが、心血管系以外の患者における幅広い適応症として承認されるのは初めてとなる。売上高は発売以来、年率20%以上の増加率を維持しており、2019年は16億ドル(1700億円)となった。抗血小板薬として先行したプラビックスは特許満了となる直前の2011年にブリストルマイヤーズ・スクイブが米国を中心に70億ドル(7500億円)、導出元のサノフィが欧州を中心に20億ユーロ(2500億円)を計上していた。一部は重複するかもしれないが両社の合計は1兆円に達していた。脳梗塞とTIAには循環器系に匹敵する市場規模があったようである。ブリリンタの急成長が見られるかどうか注目される。