アストラゼネカのブリリンタ(一般名:チカグレロル)が、急性虚血性脳卒中[NIH(国立衛生研究所)脳卒中スケールスコア≤5]、またはハイリスクな一過性虚血性発作(TIA)の患者において、世界中で障害や死亡の主要な原因になっている脳卒中のリスク軽減の効能追加の承認をFDA から取得した。
根拠となったTHALES試験は、28 カ国から11,000 人以上の患者を登録して実施した、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、国際多施設、Event-driven の第3 相試験である。非心臓塞栓性急性虚血性脳卒中またはハイリスクTIA 患者の脳卒中と死亡を併せて予防する上で、アスピリン+ブリリンタ の併用がアスピリン単独よりも優れているか否かの仮説を検証した。患者は、急性虚血性脳卒中またはハイリスクTIA の症状発症から24 時間以内に無作為化され、30 日間の治療を受けた。試験における治療は、1 日目にブリリンタ 180 mg の負荷用量、その後引き続いて、2 日〜30 日目は1 日2 回90 mg、またはプラセボを投与された。全ての患者は、非盲検下、1 日目にアスピリン300~325 mg を投与され、続いて2~30 日には1 日1 回75~100 mg を投与された。主要有効性評価は、30 日間での脳卒中と死亡の複合評価項目の発現までの時間であった。主要安全性評価は、GUSTO 基準により、致死性出血、頭蓋内出血、及び血行動態回復遅延の原因となる出血を含む、最初の重度の出血イベント発症までの時間である。
急性虚血性脳卒中またはTIA 患者に対して、アスピリン+ブリリンタ群では、アスピリン単独群と比較して、主要複合評価項目の脳卒中と死亡発生率を17%減少させた(絶対リスクの減少= 1.1%;ハザード比0.83; 95%CI;0.71-0.96、p = 0.015)。これは統計的に有意で臨床的にも意味のある減少であり、主要複合評価項目は、脳卒中の減少によって強調された。