Alnylam Announces U.S. Food and Drug Administration (FDA) Approval of OXLUMO™ (lumasiran), the First and Only Treatment Approved for Primary Hyperoxaluria Type 1 to Lower Urinary Oxalate Levels in Pediatric and Adult Patients
RNA干渉治療薬OXLUMO(一般名:ルマシラン)を原発性高シュウ酸尿症Ⅰ型(PH1)にたいする治療薬として承認した。PH1は過剰に産生されたシュウ酸により、不溶性のシュウ酸カルシウムが腎臓をはじめ全身の臓器に沈着して多臓器に障害をきたす。肝細胞内のペルオキシソームに存在するアラニン:グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(alanine:glyoxylate aminotransferase: AGT)の欠損が原因の希少病で症例数は非常に少ない。
(参考)開発したのは米国ボストン郊外ケンブリッジを本拠として核酸医薬に特化するアルナイラム社である。2018年にFDAが承認したsiRNA治療薬オンパットロ(ONPATTRO)を開発した。核酸医薬としてFDAが初めて承認したのはバイオジェンが2016年に発売した脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬スピンラザ(一般名:ヌシネルセン)であったがアンチセンスオリゴマー(ASO)である。siRNA薬としてはオンパットロが初めての製品となった。今回承認されたルマシランもsiRNA薬である。核酸医薬の2019年売上高はスピンラザ(21億ドル)、オンパットロ(2億ドル)であった。2020年に入るとロシュがASO薬リスジプラムの承認を取得してSMA治療薬Evrysdiとして発売した。ノバルティスは2019年11月にsiRNA薬インクリシランを家族性高コレステロール血症の治療薬として申請直前だったThe Medicines Companyを買収した。しかし、FDAはコロナ禍によるGMP査察などの遅れから、承認を見送っている。