2020/12/31

血友病治療薬の開発動向

12月に開催された米国血液学会(ASH)において、ファイザーが遺伝子治療薬giroctocogene fitelparvovec(SB-525)のP3成績を詳細に発表するなど、血友病治療薬の有望な成績が報告された。ファイザーは前月(11月)には新規の抗TFPI抗体マルスタシマブのフェーズ3試験開始を発表している。二重特異性抗体ヘムライブラは長期フェーズ3追跡調査の最新データに基づき、患者の良好な状態が3年以上持続していることをロシュが報告した。ロシュは遺伝子治療薬でもSPARK社を買収しており、血友病AではSPK-8011がP1/2段階にある。サノフィは一時、投与を中止していたsiRNA核酸医薬フィツシランの臨床試験を再開した。血友病治療薬を重点としていたシャイアーを2018年に買収統合した武田薬品からのASH関連の発表記事はなかった。

12/10, SNY, Hemophilia, siRNA

Sanofi to resume dosing in fitusiran clinical studies in the U.S. -- an investigational, small interference RNA therapy in development for the treatment of people with hemophilia A or B, with or without inhibitors.
  • サノフィは米国でもフィツシラン臨床試験において薬剤投与を再開する。フィツシランは治験段階のsiRNA核酸医薬として、インヒビターの有無にかかわらず血友病AおよびBのすべての患者を対象として開発されている。

12/07, PFE, Hemophilia, Gene therapy

Pfizer and Sangamo announce updated phase 1/2 results showing sustained factor VIII activity levels in 3x10¹³ vg/kg cohort through one year following Hemophilia A gene therapy
  • ファイザーとSangamoは血友病Aに対する遺伝子治療のフェーズ1/2臨床試験の最新成績を発表した。3x10¹³ vg/kg投与群において血液凝固第8因子の血中濃度が1年間を通して保持された。

12/07, ROG, Hemophilia, Bispec-Ab

New follow-up phase III data reinforce the long-term benefit of Roche’s Hemlibra for people with haemophilia A
  • ロシュのヘムライブラを投与された血友病A患者のフェーズ3追跡調査の最新データで良好な長期成績が確認された。