2020/12/12

アストラゼネカがアレクシオンファーマを吸収合併、2025年まで毎年2ケタの売上成長が続く

12/12, AZN, M&A, Rare disease

AstraZeneca to acquire Alexion, accelerating the Company's strategic and financial development -- Greater scientific presence in immunology by adding Alexion's innovative complement-technology platforms and strong pipeline
アストラゼネカはアレクシオンを吸収合併して経営上の戦略と財務を発展させる。革新的な補体技術と開発パイプラインが加わり、免疫分野のサイエンスにおける地位が高まる。

買収費用390億ドル(4兆1000億円)のうち現金が1/3(1兆4000億円)、残りはアストラゼネカ株を交付する。株式市場で115ドルだったアレクシオンの株式を175ドルで買い取ることになり、プレミアムは52%(総額1兆4000億円)となる。経営統合によるシナジーとして毎年5億ドル(530億円)の経費削減が見込まれるが、最初の3年間は6億5000万ドル(680億円)の一時的費用が予定される。本案件の財務費用として、モルガンスタンレー、JPモルガン、およびゴールドマンサックスから175億ドル(1兆8000億円)を調達する。

(参考)NASDAQ市場で54ドルだったアストラゼネカの株価はアレキシオン買収のニュースによって50ドル前後へと8%低下した。一方、2018年にシャイアーを買収した武田薬品の株価は半減している。タケダ薬品がシャイアーに支払ったプレミアムは結果的に100%(3兆円強)となったが、利益率と成長率が大きく低下したままである。新生タケダ薬品の売上収益は旧武田製品の増加によって横ばいを維持するのがやっとで、2017年には6000円台にあった株価は3000円台へと低下している。希少病領域の最大企業であるアレクシオンの買収価格4兆円と比べて、シャイアーに7兆円(注)の価値があったかどうか、改めて考える必要がある。

(注)タケダ経営陣は下落後の株価4000円を基準として買収価格を6兆2000億円としている。旧シャイアーが抱えていた2兆円の借入金を肩代わりしており、合計9兆円がタケダの最終的な買収コストとなったという見方もある。