2021/01/18

ハーセプチン前治療歴があるHER2陽性・進行性胃がん患者に対するADC薬エンハーツによる治療

 01/18, AZN, HER2, Gastric cancer

Enhertu approved in the US for the treatment of patients with previously treated HER2-positive advanced gastric cancer

  • ハーセプチンと化学療法の前治療歴があるHER2陽性・進行性の胃がん患者に対するEnhertu(エンハーツ)による3次療法が米国で承認された。
  • 米国では胃がん患者の大多数がかなり進行した段階で診断されており、5年生存率は5%前後にとどまっている。また、胃がんの20%がHER2陽性である。FDAが承認の根拠としたフェーズ2臨床試験DESTINY-Gastric01 は日本と韓国で実施され、ハーセプチンと化学療法が無効の188例を登録した。エンハーツ126例、プラセボ(化学療法)62例と2対1に割り振られ、エンハーツ群の全生存期間(OS)12.5か月は化学療法群 8.4か月を有意に上回った(p=0097)。独立中央評価委員会による奏効率(ORR)は化学療法群の11.3%に対し、エンハーツ群は40.5%となった。さらに完全奏効率7.9%および部分奏効率32.5%ともに対照群(0%および11.3%)を大きく上回った。無増悪生存期間(PFS)の中央値は対照群3.9か月に対して5.6か月となった。奏功期間(DoR)11.3か月も対照群の3.9か月を大きく上回った。